2.第24章 脱兎4-4
「ヤコック王――――ッ!!!。」
激しい雨に打たれ、泥だらけになりながら、イサムナが叫んだ。
「今だっ。占い師を取り押さえろっ。」
シュバランケが叫んだ。
シュバランケの腹心、縮れ髭の大男ヒエンが、その大剣の腹で、イサムナの小手を叩いた。
ビシーーッ!。 ウゥッ。
たまらず、イサムナは剣を落とした。
さっと数人のゴ族の兵士がイサムナにのしかかり、イサムナは捕まってしまった。
正座をさせられ、上半身をぐるぐる巻きに縛り上げられてしまった。
「イサムナッ!。」
武人カサスは、怒り狂った。
その屈強な体を機敏に動かし、金色に輝く長い髭をひるがえし、ポポカが鍛えたシバルバ最大の大剣を舞わせた。
激しい雨をも、切り裂いた。
ウガッ。 ゲエエッ。 ウッッ。 グワーッ!!!!!。
まさに一騎当千、当たるを幸いにゴ族の兵士を切り倒して行った。
2メートルはある、その重い大剣を、ブンブン振り回し、兵士達をぶった切って行った。
一撃で首を飛ばし、胴体を真っ二つにし、股から体を切り裂いた。
しかし圧倒的な数のゴ族。
切っても切っても、次から次へと湧いて来た。
周辺のシバルバ族の衛兵達は殺され、ゴ族の兵士達の輪の中心に、ただ一人カサスがいた。
その時、中原に通じる一本道からシバルバ族の旗をひるがえし、一団の馬が疾駆のごとく向かって来た。
ゴ族の兵士達がざわめいた!。
「シバルバ族の援軍だ。援軍が到着したっ?」
「援軍が来たのかっ?」
シバルバ族の旗をくくり付けた無人の馬達の中心に、シバルバ族の若き王子コアトルと、生贄の処女エカリーがいた。
ドドドドドドドドドドッッッ。
無人の疾駆する馬達に守られコアトルとエカリーは、カサスと合流できた。
「コアトル!。 援軍の正体はコアトルだったのか。」
輪の中心に入り込んできたコアトルとエカリーに、カサスが言った。
「援軍と云っても、もう僕ら二人しか残っていないけどね。」
「他はみんな殺された。」
スラリと剣を抜き、カサスと背中合わせになって、コアトルは答えた。
「こちらも同じです。」
「父上のヤコック王様は殺され、イサムナはあのように囚われてしまった。」
カサスが答えた。
「父上が殺された…。」
「ゴ族の奴ら、絶対許さない。」
コアトルは、唇を噛んだ。
ついにヤコック王も殺された。
カサスと合流できたコアトルだが、絶体絶命。
シバルバ族は死に絶えてしまうのか!。
我らがヒーローコアトルの命は如何に?。
次が気になってしょうがないのですが、今はここまでで、




