2.第20章 みなごろしの山4-4
数日後、銀山の人々は集会所の前の、石畳の広場に集められた。
エマの無残な死体を見て、鍛冶師のポポカがゴ族に向かって行こうとした。
右手のこぶしを、握り締めて!。
だが、エマの父クリスに制止された。
「ここは耐えて、生き延びる事を選択しろ。」
「いつか復讐できる時が来る。」
ポポカは、右手のこぶしをワナワナさせながら、こらえた。
広場のシバルバ族の前に、ゴ族の兵士を連れたヒエンが現れた。
「冬至の神事に失敗したシバルバ族には、死を持ってその罪を償ってもらう。」
「暗黒神、明白神と各種族をつなぐシバルバ族の使命は、果されなかった。」
「この星において、シバルバ族の存在意義は無くなったのだ。」
「これからは、我々ゴ族がこの星を治めて行く。」
「この星からシバルバ族を駆逐するために我々は行動に出たのだが、もっと効率よく駆逐する方法はない物かと考えた。」
「物分かりの良いおまえ達は、自分たち同士で殺しあい、我々の手を煩わすな。」
「剣を振って一人づつ殺すのも、疲れるからな。」
ヒエンの言葉が終らぬうちに、監督長官のクリスが前に進み出た。
「どうか女子供は、お助け下さい。」
「あなた達に、はむかう気は無いのです。」
「女や子供たちの命は、救ってやってください。」
クリスは石畳に手をついて、深く頭を下げた。
「だから害虫にオスもメスもない、子供も関係ない、ただ駆除されるのみなのだ!。」
そう言うとヒエンは、剣をクリスの頭に叩き付けた。
クリスは頭を割られ、その場で絶命した。
「さあ剣を持って二列に並んで、向きあった相手の心臓を突き刺しあえ。」
「一列目、二列目が終わったら、三列目と四列目は、その剣を持って差し合え、次から次へと順番にやって行けよっ。」
ゴ族の兵士がサクサクと、事務処理をこなすように進めて行った。
コアトルの大親友ポポルは、父ポポカと向かい合った。
「磨き上げ、鋭く研いだ剣を、この様な事に使うとはな…。」
「ゴ族の剣で殺されるくらいなら、ポポル!、おまえに殺された方が本望だ。」
「ひとおもいに、父の心臓を貫け!。」
「父上、あなたの息子で幸せでした。」
「あの世でも、息子でいさせてください。」
そして、掛け声と共に、父子は、お互いの心臓を貫いた。
数日に渡ってシバルバ族同士の殺し合いは、続けられた。
そして、銀の山の村にシバルバ族はいなくなった。
駆逐されたのだ。
みなごろしの山。
残るはただ一つ、王宮のある神山の村だけとなった。
ゴ族の圧倒的な侵攻の前に、なすすべのないシバルバ族。
残るは、ヤコック王達の居る神山だけとなった。
最終決戦の舞台は、神山となったのだ。
シバルバ族の命運やいかに!!!。




