4.第14章 北の林4-4
ミャー!ミャー!ミャウー!。
その声は!、ビビアヤマネコ種!。
大量のビビアヤマネコ種が、族長ギルを取り囲んでいるフォックス種を、さらに取り囲んでいた。
小型で力こそ弱いが、圧倒的な数のビビアヤマネコ種。
フォックス種を駆逐し始めた。
大混乱の中、ビビアヤマネコ種の種長が、族長ギルに近づいた。
「ミャー、やっぱりこんな事でしたか。」
「星読みの奴等が族長を連れて行ったので、変だなと思ってつけて来たのです。」
「ガルル、おう、助かったぞビビアヤマネコ、存分に暴れてくれ。」
族長ギルが叫んだ。
ウオーン!、ウオーン!。
今度はウルフ種の遠吠え。
ウルフ種が助けに駆け付けて来てくれた。
もはや、これまでか、リューゲは逃げ出した。
と、そこを取り押さえる族長ギル。
「星読みの時代は終わった、これからは自分で考え、自分で行動する時代だ。」
「お前に対する、俺の決断はこうだ。」
族長ギルはその太く長い牙を、リューゲの心臓に突刺した。
血しぶきで赤く染まった族長ギルのもとへ、ウルフ種の種長がやって来た。
「グルル、どうするギル、北の退路は立たれたぞ。」
「俺達は袋の鼠だ。」
「ガルル、こうなったら一気に決戦だ。」
「東のコアトル達と合流して、ゴ族を迎え撃つ。」
「グルル、よしっ、そう来なくっちゃあ。でっかい花火を打ち上げてやる。」
族長ギルとウルフ種長は、東の丘を見上げた。
「ミャー、我々も共に戦います。」
ビビアヤマネコ種長が言った。
族長ギルは一瞬小首をかしげて、ビビアヤマネコ種長に言った。
「お前達は北の林から逃げろ。」
「ゴ族の隙を付いて、燃え盛る炎をかいくぐって脱出しろ。」
「数に優るおまえ達、何匹かは生き残る事が出来るだろう。」
「そして、お前達の強み、弱々しくって、かわいらしい、その魅力で生き残れ。」
「お前らは世界中に行き渡り、キチェ族がいた証を残してくれ。」
「世界中で、お前たちの子孫を繁栄させるのだ。」
「ミャー、族長…。」
「ガルル、早く行け、炎の勢いが増してしまうぞ。」
ビビアヤマネコ種達は、抜け道を探しながら、北の林に入り込んでいった。
族長ギルは、毛に付いたフォックス種の血をブルンブルンと身体を振って飛ばした。
肉付きの良い前足、がっしりとした後ろ足、足の爪はカギ状に鋭く、二本の長い牙はたくましい。
ウルフ種長が、隣に付いて来た。
二匹を先頭に、キチェ族達は東の平原に向かって疾走した。
北からの退路を断たれたキチェ族。
もはや、袋の鼠。
頼みになるのは、東の空堀。




