4.第14章 北の林3
「ガルル、星読みの者達よ、俺の時代が終わるにしても、お前らの時代は始まらない。」
「お前らは、また私をだまし、陥れようとしている。」
「わが妻を、バード族に襲わせた時のように。」
「クオーン、あれは、我々の意向と、あなたの思惑が一致した事件だった。」
「我々ばかりに、罪を押し付けるのはお門違いだ。」
「あの女は、キチェ族の統治に関して口を出し始めた。」
「星読みの御神託にも、疑問を持ち始めていた。」
「行き過ぎた考え方は、まとまり始めたキチェ族を、また分断してしまう。」
「族長のあなたにとっても、同じ事が言えた。」
「あの女は、あなたの愛を一身に受けたいが為に、あなたを束縛し行動を監視した。」
「キチェ族を一つの種族としてまとめ上げ、平和に暮らす為の土台をつくっている最中に。」
「あの女の愛と言う言葉に、あなたは翻弄され始めていた。」
「愛と言う言葉によって、身動きが取れなくなっていたのだ。」
「ガルル、俺は、妻を愛していた。」
「だが、愛よりも、自分の本分を取った。」
「俺は自分の夢を優先させたのだ。」
「クオーン、そう、それで、あなたは南の平原へ妻子を連れて狩りに出かけた。」
「どうなるか、分かっていながら。」
族長ギルは、無言のまま、何も答えなかった。
「さあ、あなたが描いた夢の為に、あなたの首を差し出してもらおう。」
リューゲは両手を上げ、大きく前に振り切った。
十重二十重に、取り囲んでいたフォックス種達がいっせいに族長ギルに飛びかかった。
体力的には数段上のサーベルタイガーであったが、圧倒的な数のフォックス種の攻撃をかわす事は出来ない。
長い二本の牙で、次から次へとフォックス種を倒して行ったが、次第に傷を負い出した。
また、キャティをかばいながら、戦わなくてはならない。
族長ギルは、満身創痍になりながら戦い続けた。
と、族長ギルを取り囲んでいる大きな円の外側から、フォックス種の叫び声が上がった。
なんだ、何が起こった?。




