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理想の彼氏
額田河合が、両親と一緒に東京に行く決心をしたころに作った詩。
理想の彼氏
額田河合
かっこよくなくていい
ううん、悪くていい
頭良くなくていい
ううん、悪くていい
運動神経なくていい
からっきしでいい
ドジで弱虫でいい
失敗ばかりでいい
やさしければいい
みんなにたいして
そしてなにより
わっしにたいして
愛してるよって言うと
飛び上がって喜ぶんだ
しあわせだよって
わっしを抱きしめる
痛すぎるっていうと
ごめんてあわてて手をはなす
そしたら二人で歩くんだ
手をつないで歩くんだ
ギザギザ山に陽が落ちて
碧の空が藍色になり
花咲くような星空になるとき
二人きり見上げるんだ
あの銀河に向って
どこまでもいつまでも
二人で落ちて行けるよねって
あなたの腕の中で思うんだ