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森の中で  作者: 蘇芳 誉
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6

家に帰り森で歌います。

何曲か歌ってると、何か光って消えていく。

なんだろう?

蛍みたいなものかな?

晩御飯の支度をして、またクッキーを作る。

ロンドさん喜んでくれたし、一応手土産として持っていこう。

マリウスさんのじい様って、どんな人だろう。

はぁー、気が重いなぁ。


翌日、約束の時間にギルドに行ったら、

「悪い。場所変更で、俺の家になった。」

「うえっ?なんで?」

「歩きながら話そう。」

ギルドをでて、歩きながら話します。

「じい様がギルドにくると、仕事にならんからな。俺達の家で待たせてる。」

ん?達?

「あの、俺達ってことは、マリウスさんの家族もいるんですか?」

「ん?あぁ、いや違う。俺達というのは、俺とロンドだ。2人で暮らしてる家だ。」

うひょ〜!まさかまさかの関係ですかぁー。

私、腐ではないのですが、興奮しちゃいますよ?

「そんな、2人の愛の巣にお邪魔するなんて、むりですっ。無理無理無理!馬にけられちゃいます!

どこか別の場所にしましょう。」

「待て、なんか変な言葉が聞こえたが?」

「クレアちゃん、何か勘違いしてない?マリウスの家が広くて部屋が、3つ4つあるからさ、その一部屋を借りてるんだよ。どうせ、寝に帰るだけだから、家賃もったいないしね。」

ニッコリ笑顔だけど目が笑ってないよ、ロンドさん。怖いよ〜。

「あはは〜。ジョウダンデスヨ〜。」

疑惑は残るが、踏み込むのはダメだ。

「えっと、お家にお邪魔していいんですか?」

「よくなかったら案内しない。じい様も待ってるしな。」

「はぁ。わかりました。」

マリウスさんの家は、ギルドから近いところにありました。

思ったよりも大きいです。

お邪魔しまーす。

おじい様がいるであろう部屋のドアをあける。

目つきの鋭い男の人が立っています。

この人がおじい様?

おじい様にみえません。若いです。

マリウスさんより少し年上くらいに見えます。

「えっ?おじい様?ほんとに?お兄様じゃなく?」

マリウスさんを見ます。

「勘違いするな。そいつは、じい様の護衛だ。じい様は、どこに行ったんだ?」

なんと、護衛・・・いや護衛ならおじい様についていかないとダメでしょ。

「そちらに。」

おおぉ。渋い声。

手で示された方をみると、ドアの横に立って笑ってる人がいます。

「じい様、なぜそこに?」

「いや、驚かせようと思って?」

ため息をつくマリウスさん。

「とにかく座ってくれ。」

ソファに座って

「はじめまして。クレアです。」

「はじめまして、そこにいるマリウスの祖父で、ジョバンニ・スペンサーだ。クレアさんの刺繍が上手と聞いてお願いにきたのだよ。」

「そちらの、護衛の方は?」

「ん?こいつは、ルークだ。護衛が、気になるか。」

ニヤニヤしてますねー。

「ルークさんですね。先程は、失礼しました。

クレアです。よろしくお願いします。」

「いや、構わない。ルークだ。」

ロンドさんがお茶をいれてくれたので、クッキーを出します。

「よかったら、どうぞ。」

「ありがとう。あっ、また作ってくれたんだね。」

「クレアが作ったのか?」

「はい。」

4人で、座ってますが、ルークさんは、立ったまま。

「あの、ルークさんは座らないんですか?」

「護衛だからな。」

「うまいな。」と食べてるクッキーを数枚ハンカチに包んでルークさんに渡します。

「よかったら、あとで食べて下さい。疲れた時は、甘いものですよ!」

「いや、俺は護衛だから・・・」

「?護衛は、甘いもの食べたらダメなの?あっ、ごめんなさい。私が勝手な事したから、怒られるんですね。ごめんなさい。マリウスさんのおじい様、私が勝手にした事だから、ルークさんを怒らないで下さい。お願いします。」

ブフォー。ニヤニヤしながら飲んでたお茶を吹き出してむせてます。

「いやいや、なんでそうなる?怒りはせん。ルークも、もらっておきなさい。」

「はっ。ありがとう、クレアさん。」

「クレアでいいですよ。」

「わかった。」

「マリウスさんのおじい様、怒らないでくれて、ありがとうございます。」

「マリウス、どういうことだ?私は、そんなに怖いか?」

「いや、クレアの貴族に対する考え方がなぁ。

まぁ、気にしないでくれ。それより、刺繍だろ?」

「ああ。マリーにハンカチを贈りたいと思ってな。クレアさん、頼めるかな?」

「あの、私より上手い人に頼んだらダメですか?」

「マリウスがクレアさんが上手いと言うから、ぜひともお願いしたい。」

「マリウスさん、何言っちゃってるんですかー。

困ったなぁ。」

「クレアの腕なら大丈夫だ。」

「クレアちゃんほど、上手な人いないよ。」

2人に言われては仕方ない。

「わかりました。ハンカチ1枚でいいですね?

どんな柄を刺繍しますか?」

「バラの花を頼む。マリーの好きな花なんだ。」

フワッと笑う顔は、優しい。

奥様の事が、とても好きなんだろうな。

「わかりました。バラですね。」

「こちらに、布や糸など、持ってきたから選んでくれ。」

ほえー。抜かりない。

最初から用意してるなんて・・なんか掌でコロコロ状態?

むぅ。黙って布や糸をみます。

あとは、勝手に話してて下さい。



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