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次の日、クレアがロンドのところに行くと、マリウスさんのところに連れていかれた。
「急で悪いんだが、明日クレアに会いに人がくるんだが、会ってもらえるか?」
「私に会いたい人?」
「あぁ、俺のじい様なんだ。クレアに刺繍を頼みたいらしくてな。すまん、俺がクレアが上手だと言ったから、会いたいと言われてな。」
なんとか、取り繕って伝える。
「んー。刺繍って、素人の私より上手な人いるでしょう?他の人じゃダメなんですか?」
「お前以上に上手いやつを俺は知らないからな。」
むーん。でも、刺繍を欲しがるって・・・
以前、お店のおばさんに、刺繍したハンカチを見られて、お貴族様と勘違いされたんだよねぇ。
違うと、自分で刺したモノだからと言ってもなかなか信じてもらえなくて、焦ったんだよね。
なんとか、お貴族様じゃないとわかってもらえたけど・・・
「あのー、もしかしてギルマスさんてお貴族様ですか?」
なんで、お貴族様がギルマスやってるのかな?
「・・・あぁ、家は出てるがな。」
「お断りしていいですか?お貴族様に失礼があったら、殺されるんですよね?って、断った時点で私殺される?えっ、どうしようギルマスさん!殺さないで〜!」
「はあぁ?何言ってるんだ?お前はっ!そんな事しないぞっ!」
「えっ?でもお貴族様だから・・・」
はぁー。ため息をついて、頭をガシガシしながら、
「お前は、貴族をどう思ってるんだ?」
「えっと、気に入らなかったり逆らったりしたら殺したり、気に入った女の人をモノにして飽きたらポイしたり、お金を搾り取ったり、女の人は、贅沢して、家で働いてる人に当たりちらして、そういうのを見て育った子供は、我儘三昧で、勘違いした権力で、相手に言う事を聞かせようとするバカ・・あっ」
慌てて手で口を押さえます。
お貴族様に何言ってるんだ、私。ヤバいよ!
内心焦っていたら、
「お前の頭はどうなってるんだ?確かに、そういうバカなヤツらもいるが、じい様はそんな事はしない。もしそんな事をするなら、俺が、守ってやるから安心しろ。」
真面目な顔で言われて、ドキッとします。
「家族であるおじい様に逆らえるんですか?そうなったら、ギルマスさんお家勘当されるんじゃないですか?」
「家はでてるからいいんだ。それから、ギルマスじゃなく、マリウスだ。マリウスと呼べ。クレア。」
「うぅっ、マリウスさん。でいいですか?」
なんか恥ずかしい。
「まぁ、いいだろう。じゃあ、明日会ってくれるか?」
ギルマ・・いえ、マリウスさんの言葉を信じようと思います。
「わかりました。お会いします。」
もしもの時は、お願いしますよ?
「ありがとう。」
明日の時間を聞いて、帰ります。
はぁー。なんだか疲れました。
今日は、このまま森に帰りましょう。




