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エリー、予選突破する

次話から本来の路線に戻っていく予定です。

バトル描写って難しいですね(苦)

ブクマ、評価いただけたら喜びます(≧∇≦)b

予選2試合目。


相手はどこかで見たような?

はっ!思い出しました、悪口兵士さんの一人です!


おや?心なしか顔色が悪いような‥‥


そんなことより。

さあ、試合が始まります。


この試合もエリーは身体強化(改)を使っていません。

上段から斬り下ろす兵士さんの剣をエリーは難なく受けます。


あらら、勝負ありです。


剣を受けた状態で繰り出されたのは『無影脚』。

エリーの前蹴りが影も残さない速度で兵士さんの鳩尾に突き刺さりました。

周りにはただ剣を受け止めただけに見えているでしょう。

白目を剥いて崩れ落ちる兵士さんにみなさん???ってなってます。

あれだけエリーをバカにしてたのに兵士さん‥‥よわ。



『し、勝者!エリザベート・フォン・ギュスターブ嬢‥‥』


またもや歓声は無し。

しん、と静まった会場を悠々と退場するエリー、かっこいいです!


3試合目、不戦勝です。

対戦相手が急にお腹が痛くなったそうです。

不思議だなぁ。



「エリー、順調でしゅね!」

うん、たまに噛む。


「ありがとう!全部アーちゃんのおかげよ!」

熱烈ハグ&頬ずり来ました。


「ここからが正念場ですよ。後2回勝てば本戦に出られます!」

「うん!私がんばる!!」

エリーの気合は十分です。


しかし私は気になる事がありました。

大事な試合中に聞くことではないのだろうけど私の大好きなエリーが変わってしまうかも。

そう思ったら凄く怖くなって。

思わず聞いてしまいました。


「ねぇ、エリー。」

「ん?どしたの、アーちゃん?」


「エリーは強くなりました。実戦で2人もやっつけちゃったね。」

「うん。」


「エリーはこれからどうなりたいのかな?」

「どうって?」


「えっとね、今までバカにしてた人たちに仕返しするとか‥‥」

「えー!しないよ、そんなこと。」


「どうして?」

「だって私は私だもん。残念騎士って言われてた私も強くなった私も同じ私なの。自分がされて嫌な事は他の人にもしないってのが私の信条だしね!」


そっか、エリーは強いな。

エリーは最初から残念騎士なんかじゃなかったのね。

心がとっても強くてやさしいの。


「それにね、アーちゃん。」

「はい?」


「私には心から信じられるお友だちがいるからもう何言われてもへっちゃらなの!」

「エリー‥‥ありがとぉぉぉ。」

鎮まれ、私の涙腺!

止めどなく溢れる涙で前がみえません。


ひっく、えっぐする私をエリーが優しくハグして


「私のほうこそ‥‥ありがとぉぉぉ!」


2人で号泣するもんだから周りからちょっと引かれてました。



4試合目。


相手は冒険者さん。

武器は長柄の槍ですか。


『始め!!』


冒険者さんはものすごい速度で槍を突き出します。

ですがエリーには当たりません。


苛立った冒険者さんは魔力を込めた渾身の一撃を放ちます。

その瞬間ー

エリーの姿が消えます。




『嘘だろ‥‥』


アナウンスの人、声もれてますよ?


冒険者さんの突き出した槍の上に立つエリー。

幻想的です。うっとり。


エリーが使った技は『軽功』。


体重の軽いエリーが重い攻撃をまともに受ければ単純に力負けします。

攻撃を受け流す柳に風、みたいな防御方法ですね。

魔力を纏うと質量が変わる?

要研究ですね!


槍上からエリーは冒険者さんの眉間に剣の切っ先を向けます。


「参りました‥‥」

『しょうしゃぁああああ!エリザベート・フォン・ギュスターブ嬢ぉぉぉ!!』


『うおおおおおおおおおおおおお!!!!』


凄い歓声です!!

さっきまではあんなにシンとしてたのに。


『すげぇ、姫さますげぇ!』

『エリザベートさま素敵‥‥』

『うおー!結婚してくれー!』

おい、最後の人、しばくよ?


すごいすごいすごい!

エリーがみんなに、街の人たちに喝采を受けてる!

やったね、エリー。

もう残念騎士なんて呼ばれないよ、きっと!



そして予選最後の試合。


相手はまたまた冒険者さん。

どうやら相手は無手、格闘家さんみたい。


エリーは剣を取らない。

同じ土俵で戦うつもりみたいね。


『予選グループ1、最終戦ー』


『始めぇぇぇ!!』

アナウンスさん、テンションあがってます!


あ、この冒険者さん速い!

エリーのガードが間に合わない。

ゴツ!

いいのがお腹に入っちゃった!


エリーの顔が歪みます。


エリーは一瞬だけ身体強化(改)を使って距離を取ります。

ふぅっと息を吐いて呼吸を整えると相手に向かって駆け出しました。

冒険者さんの蹴り。これも速い。

けどエリーにはもう見えているでしょう。

だってエリーの無影脚より全然遅いもん。


エリーは蹴りをしゃがんで躱すと片足になった冒険者さんの軸足を払いました。

体勢を崩した冒険者さんは苦し紛れに拳撃を放ちます。


エリーはこの攻撃を『纏』で捌くと同時に。


聞き慣れた震脚の響きー


引き絞られたエリーの左拳が真っ直ぐに放たれます。


カウンター気味に入った拳撃は冒険者さんの右胸を穿ちました。


今度は吹っ飛びません。


一呼吸置いて『パンッ』と乾いた音。

そして冒険者さんの背中の衣服が弾けました。


『通背拳』です。


エリーは残心のまま少し距離をとります。


崩れ落ちる冒険者さん。


エリーの勝利です!予選突破です!!


『本戦出場決定!しょうしゃぁああああ!』


『エリザベート・フォン・ギュスターブ嬢ぉぉぉ!!』


大歓声の中、観衆のみなさんに手を挙げて応えるエリーがとても、とーっても素敵なのでした。

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