夏休み
すっかり夏休み中盤。
李由ちゃんと遊ぶ約束をしていた日がやってきた。実は夏休み一日前、約束をしていたんだ。
スマホを開いて、集合時間を確認する。えっと、9時に海に集合だよね。
海……久しぶりだなぁ。もう6年ぐらい行ってないかも。久しぶりだから、泳げるかなぁ……。
ちなみに、私の水着はまるで服みたいなワンピースっぽい感じなんだ。
だから、そのまま街を歩いていてもあまり違和感はない。
……というか、なさすぎる。
夏休みの人が多いということもあって、かなりこんでいる。
背がかなり小さい私は、始発からなので運よく席に座ることができて、もうついているとしか思えない。
『〇〇駅、〇〇駅です。お降りの方は気を付けてお降りください』
目当ての駅について、降りる。えぇと、海へはこっちが一番近いはず……!
と、悶々としていると、ふと、誰かに声をかけられた。
「あれ??もしかして、心菜ちゃん?」
この声……間違いなく、
「神代先輩?」
振り返ると、白シャツに黒いパンツというシンプルな格好をした神代先輩がいた。
「森田さんから海に行こうっていわれてきたんだけど、やっぱり心菜ちゃんも一緒だったんだね」
もしかして、李由ちゃんが言ってたのかな?それにしても、”やっぱり”って??」
あ、つまり、李由ちゃんが神代先輩に連絡したからかな。
「ところで、いつも思ってたんだけどさ、名字じゃなくて名前で呼んでいいよ」
それはつまり、英治先輩でいいってこと……?
「まぁ、慣れるまで先輩着けてね。本当は呼び捨てで呼んでほしいんだけど……」
最後の言葉は聞こえなかったけど、これから神代先輩のことは英治先輩って呼ぶってことだよね。
今まで名字だったから、名前で呼ぶっていうのは結構おこがましいっていうかなんというか……。
でも、神代先輩……じゃなくて、英治先輩がいいって言ってくれてるんだから、まぁいいのかな。
しばらく一緒に海へ歩いていると、目の前に李由&累カップルがやってきた。
「心菜、神代先輩とラブラブね~」
李由ちゃんの言葉に、顔を真っ赤にする。
「え、駅が一緒でここまで来ただけだよ……!」
「あらあら、必死になっちゃって可愛い~」
可愛いだなんて、私とはかけがえのない言葉だよ……!
助けを求めようとちらりと隣を盗み見ると、今度は中山君が英治先輩と話していた。
なにかこしょこしょといっているけど、小さすぎて私には聞こえない。
そうこうして歩いているうちに、ついに海についた。
もう海に入っている人もいて、みんなキラキラな笑顔を浮かべている。
わぁ……!今日はこの海でいっぱい楽しむぞ……!
私は、そう決意を固めたのであった――




