↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男女比1:5の世界でサバイバル  作者: 桃野産毛


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

74/89

第63話 台風の目

 俺は戦車の操縦席に座って、

視界に入った『オメガ』を見つめる。

 ここは空の上。

対『オメガ』決戦用戦車の飛行モードだ。


「離陸、飛行、巡航がこんな簡単に操縦できるの凄い。

もう、ゲーム機じゃん。

ゲーセンにあるシュミレーションゲームじゃん。」


 多分、認知能力の低い人間でも操作可能なように設計されている。

もう、ここまで来るとバネロが恐ろしい。

彼女が若かったら、俺負けてる。

あの頭脳に軍人の体力があったら、もう本当に魔王だ。


「巡航速度、812km/h。

一時間三十分で強風圏、および強磁場地域に突入。

突入後、更に二時間で『オメガの目』に接近する予定です。」


 バニラには計器の読み取りと計算を頼んでいる。

機内は二人きり。

自動航行の高度まであがり、

操縦も必要なくなった今なら、

落ち着いて考えることができた。

 今なら超冷静。すげぇクール。

そう、今なら。

 そんな冷却済みの頭で考えるが、

やはり俺は追い詰められている。

あそこでロックを登録したのは賭けだった。

そして、負け気味の勝ちだ。

ギャンブルに一万円いれて、七千円返ってきた感じ。

 ぶっちゃけ、他の方法もあった。

今なら二パターンくらい思い付く。

でも、あの場であの瞬間ではあれが最適だった。


「悔やんでも仕方ない。

トライ&エラー。

切り替えろ、俺。」


 どう足掻こうが、俺のやることは変わりない。

それに、この先に待っているものは完全に予測不能。

世界を破滅に追い込んだ元凶の中へ向かう。


「俺の予想だと、『オメガの目』。

台風の中心に女神がいる。

どういう風にいるのかわからないが、きっといる。

 百年以上世界を回った化物だ。

女神の正体がただ者じゃないのは確定。

考えられるのは、人工知能。

もしくは、

ちょっとした町かなんかがあって、

複数人が代替わりしつつ運用している、とか。」


 どちらにせよ、

その女神がやりたかったこと。

それが、きっと俺がさっきやってしまったこと。


 『行動を起こせる男』の存在を黒幕に示すこと。


 だから、女神は行動すれば良くも悪くも、

と言う変な言い回しをしたと俺は見ている。

 俺があの収容所で暴れるなりなんなりして、

騒ぎが起きれば黒幕が俺に気付く。

おそらくそれを合図に女神は何かをしようとした。


「でも、俺が上手くやりすぎた。」


 だから、黒幕がなかなか動かなかった。

女神はこの自体をどう考えているのか。

後、黒幕が動いたら何をする気だったのか。


「俺がマイナス要素になっているなら、

俺が収容所に戻っても無視して別案を実施したろう。

そうせず俺にコンタクトをとったと言うことは、

きっと何かある。

 何なんだ?

まさか、この世界のリセットボタン、

とか言わない?

『そんな良いもの』無いわな。」


 俺は自虐的に笑う。

視界いっぱいに広がる嵐は、

今も俺を待っている。

 機体が風で揺れる。

強風圏、暴風域は手動操縦でなければならない。

ここが最後の休憩だな。

俺はバニラに強風圏に入ったら起こすよう指示して、

椅子に深く座り込んだ。


「少し寝る。

ちょっとだけだ。」


 思ったより疲れていたのか、

目を閉じるとすぐ眠気に襲われた。

俺は眠気に身を任せて眠った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
一万入れて七千バックは勝ち気味の負けでは?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。