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男女比1:5の世界でサバイバル  作者: 桃野産毛


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第56話 独房への手紙

 俺はあれから順調に独房ライフを過ごしている。

もう、言葉が要らないくらいバニラの性能は良い。

次の搾精が楽しみなくらいだ。

 搾精がなくても膝枕やハグ、

いちゃついたりも自由。


「ロボットの整備がなけりゃぁなぁ……。」


 ここでもロボットたちがついてくるとは。


「ソウジヲシマス!」


 お前らだよな、絶対に。

ここの掃除ロボもあの国のロボットと同期してるらしい。

 この六十五日で百台くらい整備したが、

まだまだ終わらない。

 俺はため息をつきながら、水の中を歩く。

なお、このウォーキング部屋の液晶も俺が整備した。

以前より映りがよくなり、

スピーカーから流れる鳥のさえずりもよく聞こえる。

 水に浮かんで楽しそうにしてる掃除ロボ。

気楽なやつなのか、俺の見張りなのか。

油断ならんな、コイツ。


「看守ぅ。

掃除ロボがまた入ってきてるぞ?」

「後で出しといて。」

「ちゃんと管理しろよ、お前ら。」

「お前にしかついていかないから、

どうでもいい。」


 ここの看守はこれだから。

スピーカーから聞こえるやる気のない看守の声。

この前俺が脱走して以降、

看守の再教育がされている。

能力に不足がみられた者は異動になったとか。

 そして、

入れ替えられた看守のレベルがどうにも低い。

彼女らの対応が不用心すぎてどうにも不安になる。

チップに今度愚痴ろう。

 床が止まって、排水が始まった。

この後は風呂だ。

いつもの三十秒を耐え、

ふらふらと自室へ向かっていく。


 今日が『オメガ』の接近予定日だ。


 多分、今日だと思う。

これはほとんど俺の推測で実証が何もない。

だが、きっと今晩来るはずだ。

 とりあえず、いつものように昼飯を食らい。

いつものように部屋に訪れたロボットを整備し。

へたれたマットレスで就寝する。

 念のため寝る前に、

バニラには俺の寝言を録音するよう頼んだ。


「で、やっぱり、か。」


 夢だ。

これは俺の夢の中。

いや、正確には俺の頭に遠隔で送信されているデータ。

 推測だったが、今確定した。

俺に前世の記憶を植え付けたときも、

きっと『オメガ』が接近していたと思われる。

 チップに聞いたが、

この施設は『境界』の近くに建てられており。

『オメガ』の接近時は計器に異常が出ることもしばしばあると。

その時に俺に記憶を植え付ければ、

誰にも気付かれない。

 目の前に立っている主犯の人影は、

いつか見たものより荒く歪み。

まるで、古いVHSテープのようだ。


「この駄目神様が。

見た目を取り繕うのもギリギリか。」


 そう、俺をここへ転生させた女神だ。

真っ白な部屋に彼女と俺の二人きり。

彼女は口を開いた。


「……ザッ……ザッザッ……。

きょ……、ふあ……ザザッザッ……。」

「駄目だな。

声も荒くて聞き取れない。

 お前の居場所の座標を繰り返して何度も言え。」


 以前より、通信が不安定だ。

俺は女神の声を耳をそばだてて聞く。


「E。……25°57′11″Nッザザ。

57……ザッ。……56°11′03″E……。」


 地理は詳しくないが、

日本より南東っぽいのはわかった。

問題は今俺のいる所よりどれくらい離れているかだ。


「わかった。

そこにお前はいるんだな?」


 荒い女神の映像がうなずいた。

場所については目覚めてから調べよう。


「はや……。おねが……ザッ。」

「分かってる。急いで行くよ。」


 俺がそう言うと、

女神は満足そうに笑って消えた。

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― 新着の感想 ―
えええええええ!? 女神様、まさかのデウスエクスマキナ? 機械仕掛けだった!? もしそうであれば、かなり予想外ですね………。
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