これから
「……ここは?」
ワタシは目を覚まし周りを見渡す。ここは、宿屋の一室か
フレイ姫様もハクアもいまだ寝ている
その時、部屋の扉がノックされた。誰だろうか
ワタシがドアを開けるとそこにはフェン達と兵士達がいた。凄いな、本当に軽傷で済んでいる
「お前達……よくここが分かったな」
「そんな事より、主人は何処だ。見当たらないようだが」
「それなんだが、ワタシも起きたばかりで状況が掴めていないのだ。ハクアが起きてから話を聞くので待っていてほしい」
不甲斐ない女ですまないな………
そう思っていたところに後ろから声をかけられた
「モカ……気がついて…良かった。フェン達も」
ハクアが起き上がってこちらに歩いてきているところだった。その足取りはふらついていて、すぐにでも倒れてしまいそうだった
「ハクア、もう少し休んだ方が」
「そんなこと……言ってる場合じゃないっ!」
ハクアが、叫んだ。驚いた。彼女がそれほどまでに冷静でいられないことが起こったのだろう。そしてそれは、この場にいない者についてのことだと、ワタシは悟った
「ハクア。話はすぐに聞く。だがゆっくり話せ。君が無理をして倒れてしまっては元も子もない」
ハクアをベッドに座らせ少しでも負担を減らすようにする
「ハクア、だったか。その話、森の屋敷にお前達と主人、それに血の匂いがあったことに関係があると思っていいな?」
フェンがそう聞く
「……えぇ」
そこからハクアは、見た全てを話してくれた
ワタシを助けるために屋敷に乗り込み、タクミはハイドとキャルラに1人で立ち向かい、ハクアがワタシを回収した事
モカを回収して地下から出ると、タクミが。いや、タクミの中の何かがマハトを痛めつけている現場に遭遇したこと
マハトを連れてどこかへ転移していったこと
「まさか、そんな事が……」
ワタシは呟く
「そんで、アンタらはどうする。主人を探すのか、ここで諦めるか」
フェンがそう聞く。答えは決まっているだろう
「ワタシは探す。宛はないがな」
「勿論私も行く」
ワタシに続いてハクアもそう言う
「そうか。リル、マモ、ルナ。お前らは解散してもいいんだぞ?」
「何を言ってるんだフェン」
「そ、そうです。わ、私も頑張ります!」
「んー、主人を助けるのは賛成なんだけどねー。私に何が出来るかな?」
3人も諦める気は無い様子。つまり捜索は6人か
「ふむ、焦っても仕方ない。取り敢えずマハトは……死んだだろう。フレイ姫様達をフラムへ帰してから捜索を開始しよう」
「………仕方ない」
「異存無し」
今後のことは決まった
◇◆◇◆◇◆
フレイ姫様は結局フラムに帰るまで目を覚ますことは無かった
「では、我々は失礼する。フラムの兵士達よ、また会おう」
「はっ、こちらこそありがとうございました。この大恩、決して忘れませぬ。またこの国にお立ち寄りの際は、タクミ殿を連れて来て下され」
「……そうね……じゃ、また」
◇◆◇◆◇◆
「この手紙を届けてほしい」
「はい、畏まりました」
冒険者ギルド。ここには手紙の配達を頼みに来た
勿論、タクミの捜索について、マサミツ達に伝えるためだ
「これでいいかな」
準備は全て出来たと言ってもいいだろう。ただ、未だ手がかりはない
タクミが居なくなってから、2週間たった
ワタシの後ろに5人、並んで歩く。帽子を手で深く被せる
「さぁ、見つけに行こうか」
その言葉に、5人は無言で頷く
この少女達の結果を語るのは、少し時間がかかりそうだ
◇◆◇◆◇◆
『俺』は人気のない場所。洞窟だろうか。そこで続きをしていた。何の続きかって?
………マハトの処刑、だろ?
「はぁ、まさか宿主があいつらを傷つけられないとはなぁ」
『俺』はため息を吐く。これは今後の障害になりそうだ
左を見ると、そこには血溜まり。マハトの姿は無い
何をしたのか、説明しよう
まずやり損ねた皮剥ぎ。この時点ではまだ生きていた。凄い生命力だ
次は右足を叩きにしてみた。骨ごと粉々だ
左足はミンチ。指先から少しずつ挽肉にしてやった
この時点で、出血多量で死んだんだろう。白目を向いて、汚物を撒き散らしていた
汚い。そう思ったので跡形もなく消し飛ばした。残るものは血溜まりのみだ
消化不良だった。この程度では宿主が満足しないだろうな。そうなれば、意識が戻るかもしれない
『俺』の宿主は、狂ってると思う。『俺』が言うなって?全くその通り
でもよ、女ひとりの為に国ごと潰そうなんて考えるやつは正常な精神してねぇだろ
「次は、親族を殺すか」
それで満足してくれることを願って。そうしなければ『俺』の意識は消える
…………いや、それは適切な表現じゃないな。取り込まれ、混ざり合うといった感じか
まぁ簡単に言えば、狂人の宿主の完成だ。魔人の力を振るい、蹂躙する存在。魔王なんかより厄介かもな
だが『俺』はそれは認めねぇ。『俺』がやりたい事をやりたいという渇望がある。つまり、『俺』だって生きたいって事だ
だがもしそうなるならなるで、『俺』はそれを楽しむだろうな
俺は洞窟の外に出る。星が空を覆い彩っている
ここはダンジョン。この星空は偽物だ
「さて、取り敢えずマハトの親族。やっぱり王から殺すか」
少しの間、本編と関係ないことを書こうと思います
和光とかの話をと思いまして




