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・ PIERROT ・  作者: 高砂イサミ
第26章
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レクイエム -3-


 まっすぐな道がどこまでも続く。いつになってもどこへもたどり着けず、セイジとカナはどちらからともなく立ち止まった。

「迷った……っていう気がするんだけどな」

「うん。もうどれだけ走ったか分からない。これも何かのまじないかもしれないよ」

「どうする? 戻っても、戻れるとは限らないな、この感じだと」

 セイジは手近な白い壁に手を当ててみた。特に何も起きない。しかし、手のひらに少しばかり違和感が残ったような気がした。

「あのまじない探知機があったら、ちょっと探ってみたいとこだな……」

「探知機……って、あのベルね」

「代用品になるものとか、なんかないか」

「そんなこと言われても……」

 カナが持っているのは、クラブ2本と鞭と、メテオ。セイジに至ってはクロウナイフしか手持ちがない。

「う――――ん……」

「少し休む?」

「……そうするか」

 2人は隣り合って腰を下ろした。カナは膝の上で腕を組み、そこへ顔を埋める。

 セイジはカナの肩をつついた。

「どうした。……迷ってんのか」

 カナは身体を縮めた。

「自信、なくなってきたかも……本気で戦わなきゃ、ユエにはかないっこないのに……」

「……悪いけど、俺は手加減なしでいくぞ?」

「悪くない。私だって、炎のステージや……コウのこと、許せないって思ってる! なのになんで、こんな気持ちになるんだろ……!?」

 セイジは手を伸ばした。カナの頭に手を乗せ、わしわしとなでる。

「無理ないって。育ての親の、あんな強烈な想念見せられたんだ。それで普通だよ」

 カナがわずかに顔を上げ、横目にセイジを見た。

「私達って……本当に兄妹なのかな……」

「は?」

「私もあんたみたく、割り切って考えられたらいいのに」

 一呼吸置いて、セイジは肩をすくめた。

「別に割り切ってるわけじゃないけどな。じいちゃんが『悩んでる間に動け』ってタイプだったから、多分それに似ただけだ。でもアンティークにはよく怒られるよ、『セイジの場合は考えなしなだけ!』ってさ」

「ああ……言いそう」

「そんなのがもう1人いたらアンティークの苦労が増えるだろ。だから、お前はそのままでいてくれよ」

「苦労かけてる自覚あるんだ?」

 カナが小さく噴きだした。セイジはその頭を軽くはたき、立ち上がった。

「よし。とりあえず、もうちょい詳しく調べながら進むか」

「ん」

「あっちの方が探索は得意だろうから、先に何かつかんでるかもしれないな。それでこっちもなんとかしてくれねーかな……」

 カナも立ち上がって埃を払った。

「組分け、もうちょっと考えれば良かったのに」

「こうなるって分かってりゃな。ま、仕方ないって」

 今度は壁をたたきながら、2人はゆっくりと歩き始めた。



         ++++++



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