不死の踊り子 -3-
「――!!」
セイジははっと目を開いた。うつぶせに倒れていた身体を慌てて起こす。となりでカナは先に起きあがって、自分の頬を軽くたたいていた。
「カナ、今の……!」
「見た。たぶん、ユエの記憶だ。それもずっと昔の……」
6つ目の間はユエのもの――ユエのための『団長室』だ。ユエの想念に支配されていたとしても、おかしくない。
セイジは手の中にナイフがあることを確認し、立ち上がった。
「……まずいな、どれくらい時間経ったんだ」
「分からない」
「とにかく先に行かないと。立てるか?」
「平気だってば……」
――いろいろと、思うところはあった。
互いにそれをわかっていたが、セイジもカナも、進むことを優先し、再び走り出した。
一方。
『サトル……大丈夫なの?』
西側の通路では、同じようにユエの想念に当てられたサトルが、膝をついたまま頭を振ったところだった。
「身体へのダメージはありませんから。ただ、精神的には少々こたえましたね……」
『……あたしも、ちょっと……ね』
アンティークはため息をついた。まさかこんな風に、60年前の自分達の姿を見せつけられるとは思わなかった。
『ユエ……あの時、あんな気持ちで……』
「……」
『わかってるよ。あの子のやってることは間違ってる。誰かが……止めなくちゃ』
アンティークを抱き直し、サトルは立ち上がった。
「……行きますよ、アン」
『……うん』
アンティークは前を見た。そこにあるのは、相変わらずの長い1本道だった。




