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序章

千年だ。


羅刹らせつと成り、仏界を追放され、それでも抗いながら、生き延びる理由はただ一つ。


己の過ちで失った、たった一人の想い人。

彼女の魂を探し求め、かの刀神は今、明治の浅草を彷徨さまよっている。


かつて、首を撥ねた幼子おさなごの魂に、その刀ごと深く繋がれたままで。



千年前のあの日に置いてきた心。

交わした約束。

手に残る、あの温もり。



予知よちほうが浅草を照らす。

―――ここに彼女はいる。



この想いがごうだと言うならば、私は何度でも羅刹に成り果てよう―――



強く地を蹴り、疾風となって跳んだ夜叉月が、青銀の残光を残す一閃(いっせん)で、夜闇を鋭く切り裂いた。

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