陰画
どうも!すみおと申します!ぜひ見てって下さいね!
※地名などは実際のものを使う可能性がありますが、物語や登場人物はフィクションです
放課後。一般的に陽キャと呼ばれる人間が周りの友達5人ほどを連れて教室を出て行った後…
俺、『志田 祐介』はもちろん誘われなかったし仲良くもないので、その後15分後くらいに鞄を持って一人で教室を出た。俺にだって友達くらい居るが、いつも放課後には彼女やら他の友達やらに連れられていつの間にか居なくなるので俺はいつも一人で帰ることになる。
そうしてとぼとぼと人気のない道を歩いていた時、俺の顔に紙が張り付いてきた。見ると、『エージェント適正通知!以下の番号に連絡してね〜』とあり、紙の下部に個人のものだと思われる電話番号が書いてあった。
子供が秘密基地を作るようなあれあれ、もしくは厨二病な人かと思い、面白く思った俺は、試しに電話をかけてみることにした。
気が付くと、俺は椅子に縛りつけられていた。困惑しない訳がないが、恐る恐る周りを見渡すと、研究員っぽい白衣を来た人が俺が目を覚ました事に気付いたのかこちらを向いた。
身長は150cmくらいの女の子。俺に近付くと、ビシッと指を指してきた。
「あんた何者!?意味わかんないんだけど!!!」
思わず耳を塞ぎたくなったが手が縛られていたのでその声を直に聞いて耳が痛くなった。それより、なんで俺が怒られているのか。
そう叫びたくなったが口もガムテープで塞がれているのでそうはいかなかった。その時、自分から見て右側の部屋から白いパーカーを来た男性が歩いて来た。
優しそうな目付きの男は煙草を1口吸うと、俺の顔を覗いた。「うーん、やっぱり自分の知ってる人じゃないですね〜。所長、『あの紙』はダメなんじゃないですか?」と言い、何の変哲もなさそうな紙を引き出しから出し眺める。
「あ、お喋りしたいですか〜?ちょっと待って下さいね〜」といい、優しそうな男性は俺の口のガムテープを取る。
おい、何が起こってんだよ!どういうことだ!?
と叫んだ瞬間、女の子に両手で頬を挟まれた。
「それはこっちのセリフ!なんで一般人があたしの紙通信に引っかかったの!?」
と言う女の子の肩を掴み、優しそうな男性はにっこりと微笑む。「えーと、とりあえず自分の名前は塩崎 泰斗って言います〜。この子は千代田 藍ですよ〜」と言った。
藍は泰斗を突き飛ばすと、「ねえ、教えて?あの紙は偶然あなたに届いたの?」と言い、メモを取り出した。
その後30分ほど質問攻めにされたが、あの紙は何故かは分からないが自分に届いた事、この施設に関しては何も知らない事などを話し、なんとか誤解を解くことができた。
やっと自由になった俺が、椅子から立つと、次の瞬間アラートが鳴り響いた。びっくりしていた俺をよそに、泰斗はハンドガンをロッカーから取り出す。
それを見て更にびっくりしたが、泰斗はなんと俺にそれを渡してきた。「使った事は…無いですかね〜。使い方は…」と言い、ハンドガンの使い方を伝授された。
つまりだ、俺もその『何か』に向かわないと行けないのか?困惑する俺の事を手馴れてる人と相手するかのように扱う泰斗は、俺を車の助手席に乗せると、そのまま車を発進させた。
出てみれば、ここは千代田区のどこか。泰斗が車を走らせながら話しかける。
「自分はね、あなたに期待してるんですよ〜。経緯がどうであれ、『あの紙』は特別な人間の元にしか届かないはずから」といい、左手を開いて見せた。
「特別な人間というのは、能力を持った人間ということなんですよ〜。自分達はこの能力を才能と呼んでいます。まあ、ひとつずつ覚えればいいんですよ〜」と泰斗は言った。
俺は、ここまでずっと訳もわからず着いて行ってるが、なんだか楽しんでるのかもしれない。親も含めて、久しぶりにこんなに人と話した気がするし。
父親はいつの間にか消えてた。母親は俺をほったらかすし、俺はどうにか普通に生きてきたけど、まあ、あんな人達どうでもいいか…
車が止まった。目の前を見るとただの信号待ちである事がわかる。泰斗は俺の目の前に水のペットボトルを差し出した。
「自分は相手がどんな人で、どう接すればいいかを考えるのは苦手なんですよ。だから、まずは水でも飲んでください。辛いなら、初対面ですけど…自分が話でも聞きましょうか?」泰斗は煙草を咥え、再び車を走らせる。
「いや、いいです。別に…」といい水を1口だけ飲んだ後、足元のホルダーにペットボトルを置いた。
やがて、細い路地の前で車が止まると、泰斗は降りる。「こっちですよ〜、着いてきてください。置いてかれると何も出来ませんから」といい路地に入っていこうとする。
俺は慌てて泰斗に着いて行った。そして行き止まりで止まった。周りを見渡すが特に何も無い。泰斗は
「何も無いように見えますよね〜。でも、僕には所長に貰ったこれがあるんですよ〜」といい、壁にカードキーをタッチする。
所長ってのはあの女の子か。それに、あのカードキーは…?と思っていたら、その壁にドアが現れる。泰斗がこう言った。
「ここから先は『ネオTOKYO』です。この扉はすぐ閉まるので、早く行きましょう。最後に、貴方の名前は?」
俺は、『志田 祐介』とだけ答え、ドアは自動で横に開き、二人で中に入った。後ろを振り返ると、ドアが締まり、ただの壁に戻った。
見回してみたが、辺りは普通の東京、それに、さっきまで歩いて来た道と全く同じだった。泰斗は、耳に通信機を取り付けると、俺にもそれと同じものを渡した。
取り付けると、泰斗が話す。「潜入に成功しました〜。ターゲットは?」と言ったが、帰ってきたのは耳を劈くほどの大声だった。
「なんで入ってから通信機を着けるの!?意味わかんない!何かあったらどうするつもり!?ねえ!いい?ターゲットはその路地を出てすぐの交差点にいる。特に危険ではないと思う」
藍の大声に臆する事なく泰斗が話す。「了解で〜す。では、片付けてきますね〜」
泰斗が歩き出す。俺は「ターゲットっていうのはなんなんですか?まさか化け物みたいな?」と聞いた。
泰斗は一瞬、淋しそうな顔をしたが、こっちに向き直り、微笑んだ。
「人を殺めるのと、同じ感覚ですが…慣れれば大丈夫ですよ、本当の人殺しになる訳では無いですし」
路地を出ると、目の前には人間が立っていた。が、モザイクのような物が身体や顔にかかっている。
「あれ、人…?」俺は恐る恐る近付こうとするが、泰斗が右手で肩を掴む。「あれは人では無いです。自分達はあれを『バグ』と名付けました。この世界の…生き物ですが、溢れすぎると現実にも影響を及ぼします」
と言い、左手でハンドガンを撃つ。頭を撃ち抜かれたバグはその場に倒れる。血は流れなかった。
「今回は特別強い訳ではありませんでしたね〜。やる事やって早く帰りましょうか…」といい、ハンドガンを仕舞い刀を取り出す
訳が分からない。でも、そういうものだと思うしかない、か。そう思った…
次の瞬間、泰斗が俺の肩を掴んでいた右手を後ろ引き、俺は後ろによろめく。そしてその瞬間、銃声が響いた。
泰斗がすかさず通信機に向かって話す「敵ですね〜。バグでは無いようですが…」すぐに藍の声が聞こえる
「バグじゃない…人間?あたし達以外の人間なんて初めて…とりあえずそこから離れて!」
俺は何が何だか分からなかった。後ろによろめいてそのまま尻もちをつく。もう一発銃声がするが、目の前に泰斗が現れキンッと銃弾を弾く。泰斗の手には日本刀が握られていた。
「あはは〜、自分じゃなくて祐介くんを狙うなんて、最低ですね〜」泰斗がそう言い、前に歩く。
銃弾が4発ほど発射されるが、その全てを分かってるかのように弾く。やがて、ビルの影の中に何者かが溶けるようにして消えた。
泰斗はビルの影まで向かったが「うーん、特に何もありませんでしたね〜」と言い帰ってきた。
泰斗は訳も分からず立ち上がれなかった俺を脇目に倒れたバグに近付いた。
そして動かなくなったバグに刀を突き立てそのモザイクの部分を切り取っていく。
「これが大事なんですよ〜。さっきのカードキーとか、貴方に届いた紙も。不思議な力を持った物は全部これを使って作られるんですよ〜」といい、布のように垂れたモザイクの部分を片手で持ち見せてくる。
「そうだ、これ、何だと思います?」泰斗はそう聞いてくる。
そしてそれに対し俺は、すぐにそれを『フィルム』だと言った。何故?これはどう見てもただのモザイクの塊だ。
泰斗は納得した表情で「やっぱり、そうですよね〜。ネオTOKYOでは、何故かこういうこういうのが、当たり前のように頭に浮かんでくるんですよ」
何が何だか、最初から最後までわけが分からなかったが、なにはともあれ、俺は死なずに済んだのがひとまず良かった…
泰斗が元来た場所とは違う路地の壁にカードキーをタッチし、現れたドアから出る。
出ると、そこは元通りの東京だった。人通りが多い。車が路地の目の前に停まっている。泰斗が車に乗り込むので、俺もその後に続いて乗り込んだ。
ひと段落ついた後の東京は少し暗く見えた。ネオンはまだ点いているが、煌びやかとは少し言いづらかった。
何故だろうか、さっき衝撃的な事が怒ったからか、それとも、死にかけた後の高揚感というものか。
何はどうあれ、俺にはあれらが悪くないと思えた。それほどまでに、今までの生活が窮屈で退屈なものだったのだろう。
「家はどこですか〜?近いところまで送っていきましょうか?」と泰斗が言うので、駅前まで送ってもらうことにした。
これが、俺の生活を変えてくれる事を期待しながら、今はただ、窓から外を眺めていた。
やほ!すみおだよ!第1話は楽しんで頂けたかな?
これからはマイペースに投稿していきたいと思ってるので、お気に入りとかしていただけると嬉しいです!




