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レット7 ふたりと一匹

 レットは前をゆくイルナの後ろ姿を見ながら林の中を走っていた。


「わたしも一緒にホークを捜してあげる」


 と、イルナが言った時には、さすがのレットも驚いた。


 ニール村の乙女たちは、村から出ることを禁じられているのだと言っていたはずだ。ちょっと散歩に出ることすら許されていないのに、そんなことをしたらどうなるか――。


 脳裏にギュアンの恐ろしい顔が浮かんで、レットは身震いをした。


 協力してほしいと言ったのは、なんとか村で真視をしてもらえるよう都合してもらえないかという意味であって、一緒に捜し歩いてもらいたかったわけじゃない。


 それなのに、いくら帰るように言っても、イルナは頑として聞き入れなかった。


 村の乙女が真実を視ることができるのは、一生のあいだにわずか三度だけなのだという。

 イルナは既に二度、その能力を使ってしまっており、あと一度しか真実を視られないらしい。

 そして残る一回は恩人であるホークのために使いたい、とイルナは言った。


 しかし『国家の大事に関わること』しか視てはならないという決まりのある村に居ながら自分の思うようにその能力を使うことはできない。


 いつかは村を出るつもりだったから、とイルナは言った。

 それが早くなっただけなのだと。


 結局、レットはイルナの同行を渋々了承した。

 そして今、ふたりで麓を目指しているというわけだ。


 ギュアンに見つかったら今度こそ間違いなく殺されるだろう。

 レットは自分の身空を嘆く。

 けれど、イルナが一緒にホークを捜すと言ってくれたことは、とても嬉しかった。


 だから、この決断を後悔してはいなかった。


 あとは無事ホークを見つけられるかどうか、だ。

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