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弔い音色

毎日更新目指す!

それでは人と妖魔の織り成す世界へ!

夜という静寂の闇。

しかし今日に限っては各々の家に灯りが点いている。


静寂を破るように鐘の音色が静寂の夜に響く。

(妖魔と人、弔う音色)


人と人の姿を模したモノたちが同族に冥福を祈る。

けれどそれは本当に冥福か。

それは本当に純粋な心か。

(薄い人の祈り)

それとも心の何処かで抱える罪の意識から逃れるためか。

自ら捨てた命に、死するときの報復が恐ろしいからか?

一掃させられた命に謝罪でもするか。

(戦いに立った者の命は軽くて薄く、忘れてしまう)

祈りを捧げても赦されはしない。

遺された人々が恨みを抱え、憎悪を膨らませる。

(俺はお前たちを赦さない)

人がこちらを二度見する。

だが人がそこを一度見たものが幻のように消えている。



一人の人間が視界に写った何かを二度見する。


だが人がそこを見るが、一度見たものが幻のように消えている。



妖魔よ。

人間よ。




あの日のことは絶対に赦さない。



戦いに勝ったモノは勝者。

戦いに負けたモノは敗者。



勝者は敗者に命ずる。



当然の摂理である。


それで得するのは戦い身を投じたモノではない。

戦いに身を投じたモノはただの道具である。


妖魔は古より人とある、人ならざる存在。

時に妖怪と呼ばれたり、化け物と呼ばれたり。

彼らは時が流れるほどその異常さから人から恐れられ、嫌われていく。


寿命が長く、回復も早い。人が重火器の力を持っても倒しずらい存在。だから差別した。

それでも異なる種族は争いを続けた。



妖魔は最も戦いに優れた種族を。

人間は最も妖術に長けた存在を。



娯楽のように戦わせ、そしてお互いに仕掛けた戦いで命尽きた。



そのためその年に二つは条約を交わした。

今では二人の王が国を動かしている。

後に呼ばれるようなった大戦。



人間と呼ばれた生き物と、妖魔と呼ばれた生き物の戦い。

魔術師と呼ばれる人間は活躍した。

戦闘に優れた妖魔の種族は活躍した。


英雄と囃し立てられた彼ら。



けれどその命は終わればとても軽い。

軽くて儚くて弱く、安い。

戦った者のことを忘れていくのだ。

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