私のお友達
私のお友達になる子が、王宮に着いたらしい。
私に与えられたアルジャン宮に滞在することになるその子。
色々準備してから挨拶に来るって魔法使いさんから聞いた。
魔法使いさんと、のんびりしながら待つ。
すると、部屋のドアがノックされた。来たかな。
「どうぞ」
返事をすれば、おずおずと私と同じくらいの年頃の女の子が入ってきた。
「お、お初にお目にかかります!お姫様のお話相手に選ばれました、エマと申します!」
「エマさん、よろしくお願いします」
「あ、いえ!敬語なんて!呼び捨てで大丈夫です!」
そう言うのならそうしよう。
「じゃあ、エマちゃん」
「は、はい!」
「よろしく」
「はい!よろしくお願いします!」
エマちゃんはなんか可愛い。純粋な感じがする。
「じゃあ早速だけど、なにして遊ぶ?」
「えーっと、どうしましょうか」
「じゃあ、カードゲーム」
「いいですね!まずはポーカーにしましょうか!」
「…ポーカーでいいの?」
結局エマちゃんとポーカーで遊ぶ。
何故か私は「運任せ」のゲームではめちゃくちゃ強い。
「はわわ…姫様はお強いですね…」
「運は強いかも」
「すごいです!さすが姫様!」
エマちゃんは負けっぱなしなのに笑顔で相手をしてくれる。
そろそろ別の遊びにしよう。
「エマちゃん、次はババ抜きにしよう」
「あ、私ババ抜きには自信があります!」
「うん」
ババ抜きをする。
心理戦はエマちゃんが上手。
今度は私が負けっぱなし。
「エマちゃんすごい」
「えへへ」
「楽しかったね」
「楽しかったですね!」
「次はどうしようか」
出会って数時間だけど、すっかりエマちゃんとは打ち解けた。
同い年のお友達って、こんな感じなんだ。
結局お夕飯の時間までずっと一緒に遊んで、お夕飯も一緒に食べた。
そのあとは一旦おやすみをしてバイバイしたけど…明日が楽しみ。
「魔法使いさん」
「なに?お姫様」
ベッドの上で、今日も私と添い寝する魔法使いさんにお礼を言う。
「エマちゃんとお友達になってよかった。ありがとう」
「うん。よかった」
「でも、私が一番好きなのは魔法使いさん」
私がそう言うと、魔法使いさんは蕩けるような笑顔をくれた。
「愛してるよ、お姫様」
「うん、私も魔法使いさんを愛してる」
魔法使いさんはぎゅっとしてくれて、私は幸せを感じて眠った。