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10話 燃える船

時間は進み夜。


宿屋を数店舗探し回ってようやく見つけた。

見た目は古いようだが、多くの人が出入りしている。

1人1泊銀貨2枚の宿だ。

しかも朝、夜とご飯のおまけ付き。


「いらっしゃいませ!何名様で泊まりますか?」


受付にいるお姉さんが聞いてくる。


「2人で」

「かしこまりました。何泊しますか?」

「何拍にする?」

「…1日」


エルナがそう答えるとお姉さんは了承する。


「かしこまりました。部屋はどうしますか?」

「2部屋一泊でお願いします。…これでいいか?」

「ありがと」

「お願いします」

「かしこまりました。では金額ですが銀貨4枚です」

「はい」

「お客様、今夕食が出ているのですが召し上がりますか?」

「はい、お願いします」

「ではこちらへ」


そうして2人は食堂へ案内される。

中は思ったより綺麗で清潔にされている。

食堂には剣を持った人、杖を持った人など。

ファンタジーを連想させるような光景だった。


まぁ、実際に異世界にいるのだけども。


2人に気づく気配はなく、そのまま案内されたテーブルに座る。


「とりあえず、街には着いたがこの後の方針はどうする?」

「うん、明日本土を渡る時に中継で止まる島国、マートルを目指すつもり。………そこからまた船に乗って本土に向かう予定」

「なるほど。ちなみに目的は」

「まだ話せない」

「だよな。じゃあご飯食い終わったら自由行動ということで。朝はどちらか起こせばいいら」

「異論なし」


そこからは料理を頼み2人でしばらく待つ。


久々の料理に心躍るユウマとエルナ。

エルナの顔は隠しているのでユウマには分からなかったが雰囲気は隠しきれていない。

それに2人は1週間以上非常食のパンで生活していたのだ。


気分が上がるのも無理はない。


「お待たせいたしました」


そうして料理を運ばれていく。

小さな2つのステーキを載せた皿が目の前に写る。


「いただきます」

「いただきます」


そして2人は食べていく。


「うまっ」

「ん、美味しぃ」

「久々の肉料理に感動している」


肉を奥歯でしっかりと噛み締めながら味を堪能する。

質素な塩の味付けだが、それだけでもユウマにとっては満足いくものだった。


しかも、水も飲み放題だ。


こんなに嬉しいことは無い。


エルナもそれは同じだったようで、口元が緩んでいた。

それからというもの順調に食べ進めていき気づけば2人は完食していた。


「ふぅ、久々にいいの食べた」

「ん、満足」

「なぁエルナ」

「なに?」

「2~3枚銀貨、貸してくれないか?」

「別にいいけど何するの?」

「後で買うものがあるからそれを買うつもり」

「なら私先にお風呂入って部屋で待ってるから後で来て」

「おう」


2人は立ち上がりそれぞれ別行動に入った。

ユウマはそのまま銀貨3枚を手にして宿屋を出ていった。


初めて歩く異世界の街。

中世の街を彷彿とさせるもので、文化のレベルもやはり低い。

目的地まで適当に歩きながら街並みを存分に見ていた。


そしてユウマが目的としていた場所は雑貨屋だった。


「いらっしゃい」


中に入り、早速あるものを男の店主に聞く。


「すみません。ここに地図と時間がわかる物はありますか?」

「ん?あぁ、地図と時の針ね。ならそこにほら」


店主が指さした方向には地図と時計のようなものがあった。そう、ユウマが欲しかった物は地図と時計だ。


地図があれば現状自分がどこにいるのか分かるからだ。あとは地形の把握。これは戦闘にとっても有利になるため。どんな状況でも確実にそれを自分のものにするため。


地図を手に取りながら近くにある時計を見る。


懐中時計のような形で円をなぞるように0から24の数字が刻まれていた。

それと一緒に秒針のような物が1本あり、殆ど時計と同じだった。


今は19時を指していた。


世界の時間はどこも同じらしい。

まぁ、時差によって変わってくるところもあるだろうが。

とにかくこれで時間を何時でも知ることが出来る。


とりあえず店主に3枚の地図と時の針を見せてる。


「ん、銀貨2枚」

「はい」

「ありがとな、気ぃつけろよ」


そうしてユウマは出ていった。

必要なものは揃った。

あとは服とかを新調したいがあまりわがままを言える立場ではない。


我慢するしかないのだ。


「さて、次は船の方を見に行くか」


ユウマは東の方に進む。

乗船の金額や時間を調べるには明日では遅いからだ。

今のうちに見に行き計画を立てた方がよっぽどいい。


ものの数分で港に着いた。

港には市場が開かれておりこの街で一番賑やかな場所になっていた。


市場に入る。

そこには当然魚はあるが見たことない魚もあり、それ食べれるの!?と思いながらも辺りを見渡しながら船を見つける。


一番最初に目に入ったのは2隻の客船。

その客船の近くには木でできた掲示板があった。

その掲示板には張り紙があり、予定が記されていた。


『チケットの販売は出航の1時間前から出航10分前まで』


チケットは1枚銀貨4枚


『客船ソルカデン1・マートル行き・朝刻7:00』

『客船ソルカデン2・マートル行き・3日後」


夕方と夜は出ない。

さすがに夜は危険か。

看板を見るがけっこう掛かるか。

なら、早めの方がいいな。


ちなみに豪華客船の方もあるがそっちは貴族専用らしい。

やっぱりそういうのもあるよな。


「とりあえず7:00出航のやつにするか。

そういえば、アイツ朝早かったっけ?まぁ俺が起こせばいいか?」


そう言いながらユウマは宿屋に戻って行った。


「お帰りなさいませ!お客様、相方さんとは別部屋でしたよね?」

「はい」

「これがお部屋の鍵になります。相方さんは右隣の部屋です」

「ありがとうございます」

「ごゆっくりぃ〜」


その言葉を背にしながら階段を上る。

そして自室に行き買った物を机に置く。

部屋は清潔なもので初めて宿屋で止まるが居心地が良い。


ちなみに個室風呂も付いておりこれで銀貨2枚はかなりの破格だ。

そんなことを言いながらも早速シャワーを浴びる。


「はぁ、風呂もあるとか最高かよ。この宿いいなぁ」


やっぱり汚れが取れるのはいい。

サッパリする。

シャンプーや石鹸もあるので遠慮なく使っていく。


それから数分間は念入りに洗いシャワーを浴び湯船に浸かった後、数分で終わった。

もう一着ある予備の服に着替えてから、エルナがいる右隣の部屋に行く。


3回ノックをする。


「エルナ俺だ。ユウマだ」

「どうぞ」

「失礼する」

「ん」


部屋に入るとそこにはフルフェイスの銀の仮面を被っているエルナがいた。

服装は青と白のミニスカートコートのようだが、何というか似合わないというより不自然でおかしい。


流石にユウマも言葉が出なかった。


「何だそれ?」

「まだ、信用を得られてないから」

「そうか、まぁ信用を得るのが一番難しいから別にいいけど…。とそれよりも、船の時間見てきたぞ」

「ほんと?」

「あぁ、出航する船は二つあって一応明日出るのもある。時間は朝の7時だ。2つ目は3日後だ。全部ミルロル行きだ。それでどうする何時に行く?」

「当選明日。できるだけ早く起きる。……色々と準備したいことあるから」

「わかった。とりあえず6時には起こすからな」

「お願い」

「おう、じゃおやすみ」

「おやすみ」


休みの挨拶をしてユウマはエルナの部屋から離れた。

それからまた自室に戻った後はランプの灯りを消す。

時計を見るといつの間にか23時を回っておりそろそろまずいと思った。


ベットに入ると眠気が一気に襲ってくる。

一週間以上はベットで寝てないので今じゃ最高は最高な気分だった。


窓の方を見る。

一瞬空が赤く見えたが気のせいだったのだろう。

そんなことを気にせずユウマは深い眠りに入った。





翌日、ユウマは目を覚ます。

素晴らしい目覚めだった。

時刻はまだ午前5時だ。

だが、何かを感じ取ったユウマは窓を見る。

そこで驚くべき光景を見る。


「え?…なんで?……船に煙が?」


すぐに部屋を出て行き外に向かう。

扉を開けると人がおり、おじいさんに話しかける。


「あの一体何が?」

「ん?あぁ、なんかな昨日の深夜に誰かが船に火を放ったみたいでな。漁船は無事だったんだが騎士団が所有する船と客船が全部燃えちまって今はそれで街中大騒ぎだ。一部じゃ難民がやったなんて噂もある」

「マジかよ、それ。」


その話を聞いたユウマは青ざめる。

冗談だと思いながらもその立ち上る煙をただ見ていることしかできなかった。

読んでくださりありがとうございました。

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