40.王宮でのパーティー1
エルフィー先生に告白?された後何を言ったら良いのか分からず、部屋を急いで出てしまった。だって、『そうですか〜』としか言いようがないんだもん。ベットに潜って悶々考えているうちに騎士団での練習の疲労でか気づいたら眠ってしまった。その日以来何となくエルフィー先生とはぎこちなくなってしまった。というか、私があからさまにエルフィー先生を避けているのだが…
私は騎士団の練習やお茶会を開いたり、参加したりなど慌ただしい日々を過ごした。そして今夜、この休み中で一番面倒くさいものが催される。王宮主催のパーティーだ。
「エマお嬢様、本当に可愛らしいですわ」
「ええ」 「天使、いえ、それ以上ですわ」
こんばんわ皆様。只今私はメイドさん達にお人形のようにドレスに着せ替えられ、ほんのり化粧をした後、髪の毛を綺麗に結い上げられ、『可愛いですわ』攻撃を受けています。この攻撃は黙って受けていたほうが早く終わるので私はお口にチャックをしてメイドさん達の言葉を聞き流しています。
ある程度メイドさん達が自らの作品(私)を鑑賞し終わると、ようやく解放してくれ、一階のフィンお父様達が待っている部屋へ向かった。
「おお、エマ!まさに天使、いや女神、それ以上だな!」
何か似たような事をさっきも聞いたような……
「ありがとう!フィンお父様もその服、似合っているよ」
私の今夜のドレスは珊瑚色の生地にところどころダイヤモンドが散らばっている。白金の髪には色とりどりの花が編み込まれており社交界デビュー以来の豪華なドレスになっている。フィンお父様は葡萄色のジャケット?らしきものを着ており、お揃いなのかネクタイ?は珊瑚色だった。とてもカラフルだがフィンお父様がイケメンなのか知らないがとても似合っている。
「エマちゃん、おそろいですね」
この声は…エルフィー先生……ていうか、エルフィー先生の服、全部珊瑚色じゃん。ところどころ菫色の柄が入っているのは無視したほうが良いだろう…
「そ、そうだね…あはは…」
もう少し自然に話せないのか!私の口は!
「もうそろそろ出発したほうが良いだろう。では、セバス、留守を頼むぞ」
「畏まりました。お気をつけて」
セバス達のお見送りの後、私達は馬車に乗り王宮へと向かった。
到着したときにはもう既に沢山の馬車が停まっており、広間へ向かう途中沢山の警備の騎士さんがいた。今回も招待状は見せず、顔パスで中に入ることが出来た。
名前を呼ばれて広間へ入るとやはり全員が此方に注目した。だが、これで緊張する自分はいないのだ!数々の修羅場(その他のパーティー)をくぐり抜けた私にとってはこれしきの視線は一向に構わない。ふふっ。成長した私を誰か褒めて!
そう思っていると隣から
「成長しましたね、エマちゃん」
と、エルフィー先生がコソッと話しかけてきた。まだ頭の整理がついていない私は恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にしてしまった。エルフィー先生のせいでせっかくの『完璧な令嬢』が台無しになってしまった。皆の視線が収まったぐらいで私はエルフィー先生を睨もうとした。が、エルフィー先生の方に顔を向けた時、知り合いと目が合ったのでそっちの方に向かった。
「こんばんはペネ。素敵なドレスですね」
「こんばんわですわ、エマ様。とても美しいドレスですわね」
そう。藤色のドレスを身にまとったペネだ。こういう公式的な場所では階級が低い者から高い者へ話しかけるのはタブーなのだ。だから、私から話しかけないとペネとは話せないのである。
「それにしても、先程入られた時エルフィー様と何か良い雰囲気ではありませんでしたか?(コソッ)」
「ゔっ」
こういうところ妙に鋭いんだよね。こんな時は正直に
「そうです。だけど、ここでは話せません(コソッ)」
「そうですの。残念ですわ…」
うわ〜、本当に残念そう…どれだけ興味があるの…
「国王陛下の御成り〜!」
「始まりましたわね」
「ええ」
また、王子達に挨拶しないといけないのか…今回はトラブルもなく終わって欲しいな。
「エマ、私達の番だよ」
「分かった。ではペネ、またお会いしましょう」
「はい。お待ちしますわ」
ペネに別れを告げて王族たちが待っている方へ向かった。
何を言われるかドキドキしていたが案外変なことは言われず、初めて普通に挨拶ができた。が、心なしかルーク殿下の表情が暗かったように思う。まあ、私には関係の無いことだけどね!
陛下への挨拶が終わった後、約束通りペネの元へ行きお喋りを続けた。途中でアリアラ達を見かけたので話しかけて一緒にお喋りをした。何分か話し続けたところで王子達が降りてきた。これはまず王太子であるルーク殿下が誰かをダンスに誘い一番最初にその二人で踊るのだ。まあ、私はというとペネ達を盾にしてそろ〜っと端の方へ逃げようとした。が…
「エマ様?何故そちらに行かれるのですか?」
ペネ達に捕まってしまった。ああ……あの人がやって来る…
「エマ、私と踊ってくれませんか?」
「喜んで…(喜べねぇ〜!)」
他の人なら即座に断れるのに……相手が王族とは…かなり面倒くさいな…
私達は音楽に合わせ、まず最初にお互い挨拶をしダンスを初めた。
「エマ。何故私がこんなに悲しいのか分かりますか?」
「分かりません」
せめて黙っていてほしかった…何故喋りかけてくるのだ…
「それはですね…エマとの婚約が白紙にされたからですよ…」
「!ほんとですか!(キラキラ)」
「はあ、あなたにそんな顔をされて余計に悲しくなってきました」
おお〜!あの宰相さん、もとい、グレイさんは意外としっかりやってくれていたんだ。まあ、約束は守りそうな人だったけど…後でちゃんとお礼を言っとかないと…
「ねえ、エマ。今、誰のことを考えているのですか?」
「へえ?私のヒーローです」
「『ヒーロー』?まあ、どうせあのグレイソンのことですね」
なんとルーク殿下はエスパーなの!?
「とにかく私が言いたいのはまだ諦めていませんから」
「は、はあ…」
何を諦めないの?
「その顔、理解していませんよね?」
「ソンナコトナイデスヨ?」
「はあ、つまり、私ルーク=ウィリアムはエマ=ホール、あなたのことが好きです」
「あ、そうですか」
キャパオーバーしすぎて理解が追いつかない…
「ふふっ、やはりエマが一番良いですね」
もう何を言われてもまともな返事が出来ない…エルフィー先生に次いでルーク殿下まで…私もそれほど鈍感ではないから何を伝えようとしているのかは分かる。だからこそなんて返事をしたら良いのか分からない…
「返事は今じゃなくてもいいですよ。というか、グレイソンのせいでエマとの婚約が無くなってしまったので…」
それに関してはグレイさんには感謝しかないけれども…どうやって白紙に戻したのか聞いてみようかな
ダンスは踊り終わり、互いに挨拶をしてから別れた。そして私はパンクした頭で直ぐにペネの元へ向かった。




