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路地裏の林檎と、影のような誰か/The Apple in the Backstreet, and Someone Like a Shadow Gothic Romance | JP & EN

あれもまた、私たちの姿のひとつさ……。

混雑を避け、少女と連れの男が裏路地を歩いていた。


木箱には林檎の絵。軒先にはアロエの鉢。何か白いものが風に揺れている。


黒猫が横切ったので、少女は何気なく目で追った。


日陰に、男女がいた。

二人は口づけをしていた。


少女は慌てて前を向いた。


少し先を、連れの男が変わらない歩調で歩いている。


――見なかったのかしら。


少女は何も言わず、そのあとを追った。


※見なかったことがあると思いますか?




To avoid the crowds, a girl and the man accompanying her took a narrow backstreet.


There was a picture of an apple on a wooden crate. A pot of aloe stood beneath the eaves. Something white stirred in the breeze.


A black cat crossed their path, and the girl idly followed it with her eyes.


In the shade stood a man and a woman.

They were kissing.


The girl quickly looked away.


A little way ahead, her companion continued walking at the same unhurried pace.


—I wonder if he didn't see them.


Without saying a word, the girl hurried after him.


Do you really suppose he didn't?

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