後日談1 光る海で(コックリ)
こちらも久しぶりにアップしました。
よろしくどうぞ。
美しい緑の大地に柔らかな風が流れる
透明な空には優雅に泳ぐ海の獣たち
響き渡る獣たちの物悲しくも優しい歌声
美しい泉のほとりで、体の大きな青年が大きなため息をついた
■コックリの視点
はあー……
美しい泉のほとりで、俺は何度ついたか分からないため息をついた。
はあー……なんてこった……
俺はなんてことをしてしまったんだ……!
シスが……シスが……ああっ!
あれから三日経った……
そう、俺とシスが結ばれたあの時から三日……
シスの心 (霊)と体に、俺の心 (霊)と体を刻み付けてから三日……
三日経って……!
シスは今……!
高熱を出して……! もう丸二日、寝込んでいる……!
うあああ……!
シスは、熱を出して……! 翌日から熱を出して……ガレー船の人魚姫の寝室で臥せっている!
あああー……!!
俺は頭を抱えた。
シスが熱を出したのは! もちろん俺のせいだ!
俺が俺の霊を強く、深く刻み付けすぎたから、彼女の中で異常事態が起こっているんだ!
他者の霊が入ることで不調になる者がいることは知っていたんだが……特に霊が肉体を持ったような妖精であるシスは、以前からその傾向があったことを知っていたんだが……
いや……俺の霊に、とことん弱いことを知っていたんだが……
欲望に負けた……
シスに俺を刻み付けたい、決して消えない痕跡を残したい、と思うあまり……
何度も何度も……何度も何度も……
はあーー……
看病しているディートリッヒの冷たい視線が、冷たい言葉が、胸に突き刺さる。
「龍よ。お前は本当に常識がないようだな」
「……」
「お前はやりすぎた。四半日 (6時間)以上も休まず抱くとはな……」
「……」
「四百年、純潔を守り続けてきた免疫のない妖精を四半日も……」
「……」
「システィーナの体力が尽きた時、魔法で体力だけ回復させて抱き続けたそうだな」
「……」
「龍よ。お前……確か聖職者だったよな」
「……」
「己が欲望も抑えきれず……聖職者が聞いてあきれるがな」
はあああーー……
だって……
だって……!
シスが……
シスが……!
言ってくれたんだ……!
「もうシスには無理だ」って言ったとき……
シスは言ってくれたんだ……!
きて……
大丈夫だから……
私を信じて……
きて……
俺は……
甘えてしまった……
甘えてしまったんだ……
全身全霊で彼女を……
はあーー……
拒絶すべきだったのか……?
無理だと、信じられないと……言えば良かったのか……?
聖魔法を使ったのは彼女のことを思ってだが……
でも……俺自身、彼女をずっと抱いていたかったから……
それが一番大きい……
はああ……
熱を出したシスに聖魔法を掛けさせてくれってディーに頼んだらまた怒られた。
「聖魔法は多用すると逆に体を悪くするそうだな。やめておけ」
じゃあせめて、看病させてくれと……
いや、一目だけでも会わせてくれ、と頼んだら……
「やめておけ。『 お前からの想い 』と『 お前への想い 』で霊と体に異常を起こしているんだ。今は会わずにそっとしておけ」
はああーー……その通りだ。
俺は反論することもできず、泉のほとりで頭を抱えている。
ああ……
ああぁ……




