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今日も3話更新できる…はず!
『おっそ~い。暇だったんだからねぇ』
途端、声が聞こえた。
『埃を払ってから戻ってきたんだよ』
ザットが答える。峰春は上着を着込み、白猫を腕に抱いて床に座り込み、ガイドブックを見て居た。白い息を吐き、明らかに寒そうだ。
『ほら、彼女とお前のベッドに持って行け。置いてあった薄手の布団程度じゃ寒いだろう』
シグが毛布を峰春に渡す。
『後で持ってく』
白猫を床に置いて受け取り、早速とばかりに峰春は毛布に包まった。
『駄目よ。逃げないで。寒いじゃない』
トコトコと黒猫の元に移動しそうになる白猫を、再び峰春は抱え込む。
『…ユメで暖をとってるのか』
ザットが理解し、苦笑した。黒猫は砕牙の傍に避難している。珍しく砕牙にくっついているのは、寒いからだろう。
『ザット、もう一度さっきの倉庫に行くから、一緒に来い。梁、寝ててもいいぞ?』
シグはザットに言ってから峰春に告げる。峰春があくびをかみ殺したのに気づいていたからだ。
『誰かが起きてるのに落ち着いて寝れないわ。仕方ないから二人がシャワー終わるまで待っててあげる』
『それはどうも。ザット、行くぞ』
シグは苦笑し、ザットをうながす。意味はわからぬものの、ひとまずザットも頷き、もう一度跳んだ。
ちょうど入れ違いにバスルームから創樹が出てきた。
着替えなどを一旦ロフトの上に運ぶ創樹の肩に、黒猫が跳ぶ。創樹は黒猫を腕に移動させ、包み込むように抱いた。
『その毛布、使っていいって。二人はまたどっかに行ったわ』
上着を着込み、黒猫と共にはしごをおりてきた創樹に、峰春が告げた。
次の瞬間、あっという間に再びシグとザットが現れた。
『ザットはここに』
創樹と峰春の見守る中、ザットに告げるとシグは部屋の反対側まで跳ぶ。それから手早く部屋の隅に新聞を敷き、その上に炭やバーベキューセットを下ろす。
ザットもシグを真似て新聞を敷き、バーベキューセットや炭を置く。
『何? 今からバーベキューするの?』
『馬鹿。誰がこんな時間にバーベキューなんかするよ。暖房代わりだ。火をたけば少しはマシだろ?』
眉根を寄せる峰春に、ザットがここぞとばかりに言う。
『同レベルだな。それはさっきの俺の台詞だ』
『何よ。アンタも同じこと言ったんじゃない!』
シグがクッと笑い、峰春がむくれる。
『シャワー、お先しました。何か、お手伝いすることありますか?』
早速とばかりに炭や着火剤を準備するシグとザットに、創樹が問う。
『折角シャワー浴びたのに汚れるぜ』
『そうよ。あんなのは男に任せとけばいいの』
ザット、峰春が口々に答えた。
『あぁ、悪いが換気扇だけ回してくれるか?』
シグはフッと笑って簡易キッチンの所にある換気扇を示した。創樹は頷き、換気扇を回しに行く。
『換気扇回したら寒くならない?』
『不完全燃焼しない限り心配ないとは思うが、一酸化炭素中毒にでもなったらしゃれにならない』
シグはさらりと言って、ザットにライターを放る。
手馴れた様子でシグとザットはすぐに火を起こし、さっそく、とばかりに峰春が火のそばに座りなおしてガイドブックを見る。
『じゃ、俺シャワー浴びてくる』
ザットが自分の袋をひょいっと指に引っかけ、バスルームへ消えた。
シグは手を洗ってから、コピーをとってきた地図を一列に床に並べる。
創樹がそばに座り込み、上着のファスナーを上げた。黒猫がすっぽり中に入り、顔だけが出るようにする。黒猫はちらりと創樹を見上げ、ふんっとそっぽを向くが、逃げはしない。虎が毛布を口にくわえてやってくると、創樹の肩にかけ、脇に寝そべる。
「ありがと、砕牙」
創樹は砕牙に小さく微笑む。
創樹はちょこんとのぞいた黒猫の頭を撫で、地図をながめるシグの意図を察し、正しい順番に並べるのを手伝う。教会や創樹の家などを中心に、上下左右、斜めと、合計三〇枚近くが並んだ。
だが、一枚一枚の地図の周りにはふちがあり、このままでは完全には繋がらない。
『これ、きれいに繋げた方がいいですよね?』
創樹の確認に、シグは頷く。
創樹は地図を一枚手にとって、邪魔になるふちの部分をきっちり線通りに折り曲げた。それから隣り合う地図のふちに重ねて隣に置いてみる。
『そんなもんかな』
頷いたシグは、買ってきたものの中から、セロハンテープを取り出し、封を切る。
その間に、創樹は次の地図を丁寧に折る。
それから、創樹が綺麗に地図が重なるように押さえ、シグがテープで貼り付けた。




