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神宿り  作者:
第1章
4/103

3

まだ、この書き方に慣れません…

もっと長く書いていいのかな?

「お~い、遼介ぇ。お前もこっちで一緒に遊ぼうぜ~」

 遠くで呼ぶ声が聞こえる。

 緑の絨毯(じゅうたん)、輝く太陽。瑞々しい初夏の(かお)り。

 聞こえてくるのは、子どもたちの笑い声。


(……あぁ…俺にも、こんな時があったな…)


 優しい記憶。

 楽しい記憶。

 温かい記憶。


(どうして俺は…忘れていたんだろう…?)


 なつかしい温もりに、知らず知らず涙がこぼれていた。


 つまらない現実。

 空虚な街。

 繰り返される、あきあきとした日常。

 つまらなかった。くだらなかった。

 全てがどうでもよかった。


 …………寂しかった…。

 …………疲れていた…。


 気付かないようにしていた感情に、涙がとまらなくなる。

 ……肩肘(かたひじ)張って、ムキになって、世の中全てを敵に回した気になっていた自分が、バカらしくなった。


 優しいそよ風が、頬を撫でる。

(俺がどう思ってようが、地球は変わらず回ってるし、いくら反抗しようと、変わらず太陽も輝いてる…なんてな)

 世界が変わった気がした。


(どうあがこうが、なるようになる、か…。……俺ってこんなこと考えるヤツだったっけ…? ま、いっか。……それより、今までこんな簡単なコトにも気付かなかったなんて…俺も、バカだったよな…)

 ちょっと角度を変えてみると、自分のこだわっていたものの小ささ、馬鹿らしさに気が付いた。



 ゆっくりと、遼介の意識が浮上する。

 そっと目を開いた。

 起き上がって周囲を見回すと、そこはいつもの廃ビルだった。


「………寝てたのか、俺…」

 のびをした遼介は、ハッとして自分の頬にふれる。

 指先が、ぬれた。

「…………………」

 遼介はしばし、その指先を見つめていた。


「……なんで俺、泣いてんだ…?」

 つぶやいた遼介は、自分の言葉に苦笑を浮かべた。

 泣いたのなんて、いつ以来だろう…。不思議と情けなさは感じない。

 ごしごしと制服の袖口で涙をぬぐう。

 何故か笑いがこみ上げてきた。

 笑いながら、遼介は勢いをつけて起き上がる。

 何だか気分がすっきりしている。


「………久しぶりに、学校にでも行ってみるか…。俺の席、なくなってないだろうな…?」

 独り言をもらすと、のんびりとした足どりで、遼介は廃ビルをあとにした。



 去っていく遼介の背中を、廃ビルの屋上から見守る、ふたつの影。

 風に髪をなびかせ、服をひるがえらせている人間…。


 その隣に寄り添うように、美しい毛並みを風に揺らしている、大きな虎。

 太陽の下で見ると、その虎は白金(プラチナ)色に輝いていた。

 虎は顔を上げ、遼介の背を見やるその人物の手に、そっと鼻先を押し付ける。

 その人間が口を開きかけたとき、背後からうめき声が聞こえてきた。


 ゆっくりと寝返りをうってから、むくりと男が起き上がる。

 サラリーマン風のその男が、戸惑いの瞳で辺りを見回した。

 すでに、ふたつの影はない…。


*       *       *

誤字脱字、そのほか、文が変だよ!とかあったら教えて下さいm(_ _)m

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