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実話

●これは実話です。



 今年の何月だったか?

 もう忘れたんだけど、気が付いたとき、両手をベッドに拘束されていた。服も変わっていて、左こめかみ辺りに何だか赤いものが……。

 ──え? 何だこれは……?

 僕が目覚めたのに気付いたらしく、人が来たので、

「手のを外して下さい!」

 そう言うと、

「駄目です」

「え? 何で?」

 すると一人が、

「○○さんは脳に出血があって救急車で運ばれて来たのです。幸い手術は成功しましたが、まだ治療が少し残っています」

 言うが早いか、いきなり僕のベッドを押して移動を始めた。

 着いたのは手術室。

 男性の医者が僕の顔を覗き込み、

「今から手術します」

「あ、頭ですか?」

 僕が問うと、

「緊急なので今は説明出来ません」

 そう言うと、いきなり医者は僕の尻から何かを引き摺り出し始めた。

「な、何をしてるんです!」

 すると医者は、

「大腸と小腸を抜いてます。あなたにはもう要らないので」

 僕の大腸と小腸は、そのまま床に捨てられた。

「やめろ!」

 だが医者は聞かなかった。

 それどころか今度は金玉が抜かれた。

 二つともだ。

 その金玉を掌に載せて、

「どっちが右玉で、どっちが左玉か?」

 の医者の問い掛けに、

「分かりません!」

「君はこんなことも分からないのか!」

 そう言うと医者は、あろうことか僕の金玉を壁に向かって投げ付けた。

 ビタッ!!!

 僕の金玉は、二つとも壁に張り付いて、ぺったんこになってしまった。

「あ、あ、あ、あ、あー!」

 そんな僕を尻目に、

「手術は終わりました。あなたは数年内に頭を打ってますね。それが原因で出血したのです。一ヶ月以内に再び出血する確率が十パーセントほどあります」


 数日後、僕は無事退院出来たが、再び出血することはなかった。繰り返し言うが、これは実話である。



(注・左こめかみ辺りに見えてた赤いものは、頭蓋骨に穴を開けて、そこから出した血を溜めていた透明な容器でした。戦いまーす!)


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