4 死亡一回目
今回は少し短め
あれ……ここは……どこだっけ?
何してたんだっけ…………確か……そうだ。思い出した。俺は迷宮を攻略してたんだった。
迷宮攻略の途中でゴーレムと出会って、不意打ちをしたはいいものの返り討ちにあって、それで……死んだのか?
……いや、俺は死んだんだろう。それでここまで戻された。
確か死んでも生き返るってチュートリアルも言っていたし、これが生き返るってやつか。
なんというか……あまり生き返った実感がわかない。なんだか夢みたいだ。でも、記憶ははっきりしている。血の匂い、音、痛み、細部まではっきりと思い出せる。
……気分が悪くなってくるな。これ以上思い出すのはよしておこう。
体を一応調べてみたけど、どこも異常はなかった。怪我をしたは跡もなく綺麗サッパリ無くなっている。だからそれは喜ぶことだろう。
そうだ。敵を倒したんだし、何か変化は起きてないかな。
部屋には特に変化が起きたようには見えない。だったら、パソコンはどうだろうか。画面が真っ暗になっている。マウスを動かしてみると、画面が明るくなった。普通のパソコンみたいに時間経過で暗くなるなんて機能があるようだ。
肝心の画面の方はと言うと……アイコンが2つある。逆に言うとそれしか表示されていないんだけど、一つは……クリックするとショップが開いた。もう一つの方は……戦績? そういう名前らしい。試しに開いてみるか。
〈死因 出血死
生存時間 1時間32分10秒 132p
撃破数 ゴーレム 1体 500p
実績解除:初めての探索 500p
死亡一回目 250p
合計 1382p
獲得物 なし〉
これは……探索の結果をまとめてくれるのか。実績ってのはチュートリアルでは言ってなかったな。時間経過でもポイントが入るのか……。まあそれはそれとして、思ってよりポイントが稼げてないな……。今回失った装備の分もあるし、かなりの大赤字だ。
今残っているポイントは、今回の収入をあわせて大体4000ほどだ。ここから迷宮攻略用の装備、その他諸々を引いたとすると……武器に使えるポイントはかなり融通して所持金の半分ってところか。
まだ食料の残りは大量にある。乾パンだけだと栄養は偏りそうだけど、仕方ない。
こんなことになるならもう少しポイント残しておくべきだった。無計画に買いまくったあのときの俺をぶん殴ってやりたい気分だ。
はぁ……とにかく、なんとかしてポイントを稼がないと。猶予は食料が尽きるまでの一ヶ月間といったところか。それまでに安定してポイントを稼げるようにならないと。
迷宮を攻略するにあたっての目標……というか、指針を決めたほうがいいかもな。それが明確な方が、ポイントも節約しやすいだろうし、攻略もやりやすいはずだ。
迷宮最深部に到達するのはもちろん最終目的として、そうだな……いちばん重要なのは、死なないことだ。
迷宮に潜るたびにあんなに痛い思いをするのは嫌だし、死ぬと装備を毎回買わないといけなくなるから、財布があっという間にすっからかんになるからね。
あとは、なるべく敵を倒す。
どんどんポイントを稼がないとだしな! そうしないと食費が無くなる。
……そうだ。前回死んだ場所には、食料や救急バッグが入ったリュックサックが放置されているはずだ。それを回収できれば、また装備を買わなくてもいい。
問題は、そこまで無事にたどり着けるかどうかだけど……。
それはともかく、頭の中を整理することができた。今の所の目標は死なずに十分な量のポイントを稼ぐことだな。
大体この1月の間に5万ポイントぐらい稼げれば、かなりの成果になる。
じゃあ準備するか…………。
とりあえず、武器は前回の反省を生かして金槌にした。ハンマーとかそんな大それたものじゃなくて、ホームセンターとかで売ってる普通のやつだ。
迷宮の中は結構狭かったから、あの時正面からの戦闘になってたとしても槍はうまく振るえなかっただろう。それにゴーレムと槍の相性はどう考えても悪い。岩に槍は刺さらないって。
その点これは物を叩くためのものだし、小さいから取り回しやすいという利点がある。まあ、その分んリーチが短いっていう短所もあるんだけれど、あのゴーレムは動きが遅かったし、大丈夫だろう。
他にも色々と理由はあるが、一番の理由はそう――――安かったからだ。
今の所持ポイントを考慮して買えるもので限界がこれだった。
普通の武器は高すぎて買えなかった。
……本当に、もっとポイント残しておくべきだった。今ものすごく後悔している。
まあ……過ぎたことは仕方がないか。
それ以外にも、懐中電灯、ヘルメット、その他必要になりそうなものを買った。
もう殆どポイントは残っていない。ギリギリ限界まで安いものを選んだのだが、それでもすっからかんだ。
これでもしまた死んだとしたら次からは素手で戰わなければならなくなる。そうなったら完全に詰みだ。前回は失敗したけど、今回は死なないように、安全第一で行こう。




