★chapter35 銀行口座を複数所持している場合の処理方法
ある日の学校の休み時間のこと…
「!!ねぇ紗代…」
「どうしたの、美琴ちゃん…」
「…今日って、6月2日だったよね…」
「…そうだけど…それがどうかした!?」
「…だよねぇ…失敗しちゃったなぁ…いやね、昨日引き落としの支払いがあって、貯金専用のB銀行から、引き落とし用の口座で使っているA銀行にお金を移すのを忘れていたものだから…」
「それって、大丈夫なの!?」
「引き落としされなかった場合、たぶん来週位にコンビニで払える払込依頼書が来るんだけど、余計な手数料が入っちゃうんだよねぇ…」
「AとBそれぞれの銀行の残高って、チェックしていなかったの?」
「それが…Bにお金がある程度余裕をもって入っているから、ついつい安心しちゃって、Aの残高のチェックを忘れちゃうことがしばしばで…」
「それで、今回もチェックし忘れていたってことか…」
「そうなんだ…」
「今回のような事態を防ぐには、そもそも引き落としの口座もBにしてしまうか、それぞれの口座毎に記録をしっかりとっておく必要がありそうだね…」
「それぞれの口座毎に記録…何だか、この前の簿記の授業みたいな話だね…」
***
「さて、生徒諸君の中にも銀行口座を複数所持している者も多いかと思う。会社もそれは同様で、普通預金や当座預金を複数所持している場合がある」
「確かに、支払先に複数の銀行口座が指定されている場合があるよねぇ~」
「そんな場合、会社は勘定科目の後ろに銀行の名前をつけ、各銀行毎の勘定科目を作り、管理することがあるぞ」
「例えば………『商品\500,000を仕入れ、代金はけやき銀行の普通預金口座より支払った』といった問題の場合は…
(借方(左側))仕入 500,000
/
(貸方(右側))普通預金けやき銀行 500,000
のような形になる」
「勘定科目の後ろに、銀行の名前をつけるだけで良いんですね!」
「そうだ。故に…
(借方(左側))普通預金けやき銀行 400,000
/
(貸方(右側))普通預金銀杏銀行 400,000
といった仕訳も成立することになる」
「『銀杏銀行の普通預金口座から、けやき銀行の普通預金口座に\400,000振り込んだ』みたいな仕訳ですか?」
「そういうことだ。このように、銀行毎に勘定科目を分けておくと、銀行毎の口座残高の把握に役立つという訳だ。皆、覚えておくように!!」
***
「簿記みたいに、A銀行とB銀行の口座残高を、常に把握するようにした方が良いと思うよ!」
「そうだねぇ。今日から早速そうすることにするよ!」
chapter36 に続く




