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冥王さま異世界に憧れる。  作者: なまけものなのな
ヒューズ編
146/173

ログム国スタンピード4

 先程までいたリザードマンやオークなどとは格段と違い、大きく羽を羽ばたかせたワイバーンやら、強硬な鎧を装備した色違いのリザードマンやオークに、ムキムキなオーガもいた。変わった魔物も居そうかだが、辺りは数多くそして、個性的な冒険者もいて応戦している。


 頑丈そうでムキムキなオーガは、茶色と緑色が混ざったような肌色をして赤く目を光らせて、俺の見えているオーガは、刃こぼれした大剣を軽々しく片手で持っていた。


 ファンタジー物に出てくる魔物が、沢山いてウキウキしている自分だ。

 見ていたオーガが、雄叫びを上げて消えていった。


 なっ!?


 驚くと、その消えたオーガの近くにいた、大盾を装備し金棒を持ったオークまで消えていく。

 冒険者パーティーが数多くいて、各々魔物を一体ずつ倒しているが、オークとオーガを倒した所には、魔物を探して当たりを見渡しているフェルセがいた。


 ――――いつの間に


 誰も手をつけていない魔物を見つけては、瞬殺しアイテムを回収しているフェルセの元に俺は、駆けつける。


「フェルセ、少しは……」

「私は、ランクAの冒険者だから大丈夫、大丈夫」

「……」

「むしろ、こんなに地上ではあまり見ない魔物が、うーんといんるですから。どんどん倒してアイテムゲットだぜ!しないと」


 フェルセは、腕を大きく拡げて、世界は広いんだよってアピールをした後に、俺に向けてサムズアップをしてきた。



 フェルセの冒険者ランクは、知れ渡っているのでそれは気にしないのだが、珍しい魔物がいるとなると簡単に瞬殺してて良いものか。という疑問を抱いている。

 すると、俺の前に地鳴りをしながら歩み寄ってくるオーガ……いやオークが、大きな両刃の斧を振りかぶり俺に斬りかかってきた。

 それを避けるため後方へ軽く飛んでいく。

 振り落とした斧は、地面に亀裂を生み欠片が飛び散っていく。

 気づいたのだがこのオークの頭が豚だと思っていたら、コイツは猪だったし身体なんて灰色毛で覆われている。

 見た目からして新しい魔物に出会ったのだ。

 俺は、黒いハルバードを構え攻撃を仕掛けようと途端、猪頭のオークは口を大きく開け絶叫を響かせ、アイテムを落として消えた。



 はっ!?


「あっ、冥王さま。 もしかして……」

「そうだな、そのもしかしては……正解だ」


 フェルセが、二本の剣を猪頭のオークの背後から斬り付けていたのだ。

 照れ笑いしながら、落ちたアイテムを拾うフェルセが、奥の方を指さす。


「今の普通のオークボアですからー。 アレ向こうの方に強いヤツいますよ」

「オークボア?」

「ええ、体がオークっぽくて、頭が猪なのをオークボアって言うらしいですよ」

「オークは豚……」


 俺の疑問に気づいたらしく、答えてくれるフェルセだが、その前に俺はそのオークボアと攻め合いして見たかったんだけどな。さっきまで瞬殺してたからちょっと動き回りたかったんだよ。


「向こうに歩きながらで――――」


 ココもあら方魔物の数が少なくなってきて、先程確認していた冒険者やらが戦っている魔物には何も関与せずに先に進む。


 もちろん、フェルセも邪魔したりしていない。

 たぶんだが、ラノベやらでよくあるダンジョン物で、他の人が魔物と戦っている所を割り込んだり邪魔するのは、禁止行為って言うもんな。

 先に進む俺達を、戦っている冒険者達が、チラチラ横目で見ているようだが、助けを求めている様子は無いから、これも気の所為だな。


「冥王さま?オークは、基本ブーブー言う豚ですが。 突然変異なのか進化なのか、ごく稀に、猪の頭を持ったオークが現れるんですよ」

「おぉ、進化かぁ」

「分からないですよ。 でもどこかで変化するんじゃないですか!でも冒険者ギルドとかで聞いた話ですけど」

「ん?」

「人の顔を持ったオークがいたって噂ありましたよ。 しかも、ひっどすぎる醜い顔らしいですけど」

「小説それぞれ、オークが人やら豚やら見た目変化しているけどな。 それにしても種類多いな」

「ほら、あれ。 殆ど服着てないの猪頭がオークボアで、肩当やら胸当てして若干小綺麗なのがハイオークボアですよ」

「後ろにボアが着けば猪ってとこか」

「おっ、そうですね」


 今、気付いたのかフェルセは少し目を丸くしていたが、何見つけたのかすぐに魔物の群れに飛び込むように走って行ってしまった。

 早速、俺は新しく対面した魔物であるオークボアにハイオークボアに向かって走る。俺の存在に気付いたのか唸り声をあげるオークボア。

 だが、唸り声には少し違うような声をあげるハイオークボアが、その奥にいる。

 声が止まると否や、二体は消えてアイテムに変わる。悲しいが二体とも牙一本だった。

 すると、さらに奥の方からフェルセの声が聴こえて『倒しちゃった、ごめん〜』と謝る気の無い言葉が飛んできた。


 んー。

 フェルセの進んで行った方角より離れてみるか……。


 よくこの辺りを見回すと、冒険者達やこの国の兵士達は見当たらない。そして道は相変わらずおなじだが、少し敷地が広く、建物は高さも低いし、少なくなっていた。

 郊外になってきてダンジョンがある所に近づいてきたのか、魔物が次々に右奥の方から姿を見せて来ては、お城の方へ足を進める。


 次々と見える魔物にオークやらオーガに、先程のオークボア。そして大蛇であるサーペントや、オークに見えるが顔や色が緑色のゴブリンらしきものも次々に現れる。

 心が踊り、俺は黒いハルバードを構え向かう打つことにした。

 フェルセは、先に行ったことも確認しているので、戦う前に消える事は無いと思っている。


 俺に向かって咆哮してくるオークボアは、右手に持った大剣を振りかぶりながら迫ってくる。

 ドシドシと地面から振動が体に伝わる。

 振り下ろしてくるオークボアの大剣を俺は、バックステップして躱す。

 だが、オークの神化したのかオークボアは、後ろ足で地面を蹴り大剣を突き出しながら俺に向かって飛んでくる。


 うおっ!


 俺は瞬時にハルバードでオークボアの大剣を弾き、隙が見えた脇腹に突き刺してから土手っ腹を切り裂く。

 切り口からドバっと血が噴き出したら直ぐに消えてアイテムが、転がる。

 黒い小さい魔石が、コロッと落ちる。

 それを拾うと同時に迫ってきた、もう一体のオークボアと身なりが少し上品なハイオークボアが武器を片手に大きく口を開け唸り声を上げている。


 倒した魔物のドロップ品が、しょうもないアイテムだったら虚しなと、思いながらハルバードを構える俺だった。

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