ライルベルズ城へ侵入する
馭者の人が冒険者ギルドの受付に怒鳴りつけて文句を言っている。依頼してた冒険者の人が着ていない事を伝えている。
馭者に着いてきてライルベルズ城下町の冒険者ギルドにいるが見た目から内装まで殆どベルクホルン城の城下町に合った冒険者ギルドと変わりは殆ど無いのが不思議という感じかな。
怒鳴り声が聞こえなくなったと思ったら馭者の人が俺達の所に着て声を掛けてきた。
「おー、お待たせしやんした。無事に手続き終えたのでありがとうございます」
「私は?」
「すいません。後であの受付の人が呼びに来ると思います。その時にサインでもしてくれれば良いはずです。この度はありがとうございやす」
そして、その馭者の人は、直ぐに早歩きしながらギルドを出ていってしまった。
俺達は、何故か待つ羽目になったので今後どうやって城に入るか話をしようと思ったら受付の人がやってきた。
「あのー。すみません。先程乗合馬車組合の―――」
「組合名言われても私分からないので、さっきそこで怒鳴ってた馭者のヤツですか?」
「――――そうです。」
「それでは、この書類にサイン貰っても良いですか?」
フェルセは、説明を聞いてからサインをしている。なんだか代行したという確認の書類みたいだったと。そのまま受付の人にフェルセが聞いているのは俺達の、目の前に依頼が貼ってある壁の近くにいたから待っている時に依頼内容見てたんだよね。
「ねぇ、依頼内容の1つにコレ気になったんだけど」
「それですか。すみません、コレ中止になってます」
フェルセが、聞いてた依頼内容は[城の警備及び兵の訓練]で冒険者を呼んでいるらしいが。
「この依頼を貼った時は割と羽振りがいい依頼内容だったんですけどね……。この依頼を受けて城へ行った冒険者が帰ってくる人数はものすごく少なくなってました。原因を城に聞いても冒険者は、夜逃げしたとか依頼失敗だとか言ってきてギルドとしては困ってて」
「この依頼で冒険者が行っては居なくなってと言う感じなのね」
フェルセが、困り気味の受付の人と話をしていて、その横にいるユカリは、その依頼内容をまじまじと見ている。
受付の人が、カウンターの方へ去りフェルセが依頼ボードを見つめてる。
「それ以外何も無いね、あっても片付けやペット捜索とかだね。そろそろお城向かう?」
「そうですね。お城入るのに多分そのま城門から入れないと思います」
「じゃぁ、どうすれば良いの?と言うより他の勇者達はどうしたの?」
「口には出せないので、そうだ。私に着いてきてください」
俺達は、そのままユカリの言う通りに着いて行き冒険者ギルドを出て街中を歩いていくが、何故か城に近づこうともせず賑やかな声がだんだん小さくなっていく。
「どこに行くんだ?」
「そうよ、これじゃ城なんか入れないんじゃない?」
「いえ、ベルクホルンの王から話があってライルベルズ城へ侵入する隠し通路があるんですよ。この辺りですね」
ユカリが、指をさした建物を俺達は、見上げると時計台として使われていたような建物だった。
「多分この中ですね。止まった時計台が王族が城から逃げる為の通路が有るって教えて貰ってたんですよ。入りましょう」
ギィィと錆び付いて動かすにも重い音を立てて扉が開く。
「昔の協会の様だな」
「カーペットも所々破けてますね。ちょっとクサイ」
「コッチです。見つかりました」
俺とフェルセは建物の中を見てたら少し奥の方からユカリが呼んでいるので駆けつけてみるとひんやりとした空気が漏れる通路がある。
俺達は、ひんやりとした通路を通っているんだが、俺は何か見覚えのある様な気がすると思ってたら。
「少し前に魔法陣でやってきた場所に似てますね」
「あの、オークがいた所?」
「そうです、フェルセさん。空気がこんな感じだったような」
「近いね。この石畳も壁も同じような石だったよね」
そんな事話しながらひたすら先を目指して行くと少し広くなった場所にでてくる。少し豪華に見える壁には魔法だと思う灯りが、多くあり、石畳もさっきまでの通路は凸凹していた所が多かったがココからは平らになっている。
「勇者ヤスユキとマサキは、どこにいるの?」
「魔王エンビが、いるところだとおもうんですけどね」
「そりゃ……」
「そうなんですけど……」
歩いていると更に広い所に出てきたので俺がふと思った事を口にする。
「だいたい、魔王って城の地下にいたりするんじゃないか?良くあるとしたら……」
「冥王さま、信託の流水の部屋ですね」
「それ……」
「そこ、目指しましょうという事は。この下ですね」
「ユカリ、下って?わかる?」
「ええ、マップに反応があります。彼らも同じ所通っているので行けるはずです」
ユカリも俺やフェルセも辺りを組まなく探して下へ行く道を探していてフェルセが、俺達を呼んでいるのでそこに向かう。
「行きましょう。行きますよ」
ユカリは、ズンズンと先に進んでいく。俺達は、少しでもユカリには躊躇して欲しいと思うんだけど、下に降りる階段がこの場所にしか無いので、俺達もユカリに続いて下に降りていく。
下の階に降りると、一本道に続く先に大きな扉が見える。
「あの、扉の向こうに魔王エンビと戦っているんだと思います」
ユカリは、走り出そうとするとフェルセは、ユカリの肩を掴み首を横に振り「走らない」と一言いってユカリは、頷いていた。
ユカリは、歩きながら大きな豪華な装飾がされた扉に手をついて押すが開かなかったので俺とフェルセも手伝って押すが開かない。
「もしかしたら、中で戦いとかあると開かないやつなんじゃない?」
「そっ、それじゃ終わるまで待つしか」
フェルセのもしかして発言でオロオロするユカリだけど俺が「というか、この扉押すんじゃなくて引くんだよ」と引くと簡単に開いてしまった。
フェルセとユカリは、見て見ぬ振りみたいな真顔をしてそのまま信託の流水の部屋へ入る。
中では、勇者について行った冒険者達と勇者ヤスユキとマサキが、血なまぐさい匂いと共に叫び声や武器と魔法の音が大きく反響していた。
読んで頂きありがとうございます。
昨日も沢山のPV感謝です。
これからも頑張って行きます。
次回は魔王エンビ戦になります。