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冥王さま異世界に憧れる。  作者: なまけものなのな
ライルベルズ編
115/173

ライルベルズ城下町へ

 日が出てきて間もない頃まだ、少し冷えるが俺とフェルセにユカリは、宿屋のロビーにあるイスに座りテーブルを囲って朝食を済ませた所だ。


「お城って近いの?」

「待ってください。えーっと、近そうですよ」

「今から出れば昼か夕方頃に着きそうかな?」

「ちょっと分からないですけど、そんな感じですね」


 ユカリは、マップのスキルで地図を見ながらフェルセの聞いてきた事に答えてたけど不安な回答だよね。


「それって、あれナビとかないの?」

「アプリじゃないのでそんな機能……あっ」

「あった?」

「あー、無かったです」

「だったら、ここの店員に聞いてみたら良いじゃないか?」

「さすが、冥王さま。いつもボーッとしていそうで冴えてますね」


 肩肘を着いて俺を見ながら酷い事を言ったフェルセは、急に立ち上がり店員を呼んで聞いている。


「城下町ですか?徒歩!?」


 店員が徒歩と言う言葉に驚いて失笑していているが「徒歩なら1日歩いて着きますけど……。やはり乗合馬車を使うのが良いですよ。それなら半日で着きますから」と言い俺達はそのまま耳を傾け「こんな早朝ですけどこの街は、国境付近だし今頃なら馬車もでてますよ」とお辞儀して店員は、持ち場に戻って行った。

フェルセは、イスの背もたれに寄りかかりながら天井を見上げる。


「乗合馬車かぁー。その選択無かったわ」

「早く、その馬車の所まで行きましょう」

「そうだな。早く行くか」

「場所、分かるので行きましょう」


 ユカリは、直ぐに席を立ち上がりそのまま外に出て俺とフェルセもついて行く時に聞いてみた。


「フェルセ、いつもどうやって移動しているんだ?」

「移動ですか?転送機能使ってポンポンポンッと移動ですよ。馬車で数日かかる所、数分で移動です。ある意味ワープ」

「お前――――」


 視察課の転送装置を無駄に使ってと怒ると言うより呆れてため息がでる。


「―――反省文書いてもらうぞ。備品を私的に使ったんだ」

「そっ、そんな。でも、アレは試験的運用でして……」

「そんな話聞いてない。向こうに戻ったらでいい」

「はぁーい」

「フェルセさんに、メイオウさん早く!!」


 少し離れてしまったユカリは、俺達に手招きをして呼んでいる。反省文でフェルセも少し肩を落としたが、直ぐにケロッと忘れているような顔になり俺達は、ユカリの元に近づいて行った。



 広い敷地の乗合馬車の停留所には、6台の幌馬車があって半分はベルクホルン行きで残りの半分はライルベルズ城下町行きだった。

 馬は大人しく尻尾を降ってたまに顔をブルブルさせている。


「ココですね」

「3人方、城下町行きですか?」

「ええ、そうです。これですか?」

「もちろん、私はこの馬車の馭者だが……」

「だか?どうしたんですか?」


 その短髪の中年男性である馭者は、俺達が乗ろうと言いかけてるのだけど何故か乗らせないように言葉を詰まらせる。


「俺達、移動する時に魔物に襲われないように冒険者ギルドに護衛をお願いしているんだけどな。その冒険者が来ないんだよ」


 その馭者が、ウロウロして落ち着かない様だから聞いてみる。


「その、冒険者はいつもの同行してる人なのか?」

「いや、先週依頼して置いたんだよ。護衛の依頼は、めんどくさい決まりが会ってな、まあいつもならそろそろ来るんだけど」


 乗合馬車には、俺達3人の他に2人乗ってて定員数に成っている。そんな事を馭者は、ブツブツ言いながら停留所をウロウロしていたら俺達と目が合った瞬間直ぐに言い放ってきた。


「君たちは、その格好もしかして冒険者か?もし、冒険者なら護衛を頼む。変わりにアレだ、魔物討伐したら買取するしその金額から運賃差し引いて……。運賃タダにする」

「魔物が、出なかった時はタダにしてくれる?」

「あっ、あーそうするとも。君たちの冒険者ランクはどれくらいだ?」


 フェルセが、ドヤ顔するかの様にギルドのカードを馭者に見せ付けている。


「マジか!こりゃ安全だわ。まさかランクAの冒険者が護衛してくれるとわな」


 スキップしだしウキウキしている馭者は、馬車に乗り「皆様、お待たせしました。今から城下町へ向かいます」と合図をし馬車を動かした。

 オブの街を出て城下町への街道を進むと「魔物出たらお願いしますね」と馭者の人が振り向いて言ってきたら「護衛してくれる冒険者どうなったのかねぇ」「最近、変な噂聞くよな」乗合している客が馭者に話掛けていた。


「そうなんですよ。昨日なんて聞いた話なんですがね。剣を持ったガイコツやら杖を持ったガイコツやらが軍団の様に歩いてたと」


 馭者の話にゾッとしている客の1人が「それ、聞いたわ。なんでもベルクホルンへ向かってるとか」「何やら戦争でもするのかって怖いですよねぇ」馭者も身震いして話している。



 道中、猪の魔物ワイルドベアや牛の魔物ワイルドブルなどフェルセからみたら低ランクの魔物を倒している。

そうして、昼過ぎて日がまだ高い頃にライルベルズ城下町に入街する。


「入門税とかは?」

「それは、この乗合馬車でしたら運賃に含まれてるんですよ」


 フェルセは、馭者にふと疑問をぶつけてそれに答えてるけど客の1人が馭者の顔を見てる。


「入門税が発令されてから運賃を入門税分以上に上げたじゃねえか」

「勘弁してくださいよ。最近冒険者への支払いも高いし。ウチは安心価格なんですから」


 城下町街の停留所に着いて一緒に乗合せていた客は降りて街の中に消えていった。俺達も城の方へ向かおうとすると。


「冒険者の皆さん、私と冒険者ギルドへ一緒に来てくれないですか?」

「どうして?」

「今回依頼していた冒険者へのキャンセルと代行して貰ったと話付けなきゃいけんのですよ」

「早く終わらせられる?」

「もちろんです。少しの手続きでいけますよ。お願いします」


 その馭者の後を追って城下町にある冒険者ギルドへ向かって行く。


読んでいただきありがとうございます。


ブックマークを登録していただき感謝しております。

これからも励みに頑張っていきます。

もしよろしければ感想やレビュー頂けたらなんてと……思ってしまいました。

すみません

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