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冥王さま異世界に憧れる。  作者: なまけものなのな
ライルベルズ編
108/173

戦争開始 死王レッドフド

 あれから2時間ぐらい経ち、カンカンカンカンと乾いた鐘の音が耳の中で反響するぐらい大音量で聴こえる。

 因みに俺は、少し冷たい風が吹く空き地で錬成の事やメッセージを確認をしていたらメッセージはヘカテーから一通届いていた。


『同じ世界ボストラーシャに来ていますが、海に面した土地にいます。もし、何か有りましたら報告します』


 簡単なメッセージだが、俺は青ざめる。

 それはヘカテーが来ていることではない。ヘカテーとフェルセが会うのは不味いからであり2人は仲良いのか悪いのかよく分からんが会う度に口喧嘩をしている。

 ヘカテーの事は、フェルセに黙っておこうと思ってたら、鐘の音が突然大きな音で鳴るからビックリしてしまったよ。


「冥王さま、何してたんですか?」


 テントから出て来ての一言がそれかっと思ってたけど「何も」と答えておいた。ユカリも出てきて「もぅ、始まるんですね」と遠くにいる見えない敵陣の方をを見る。


 ――王のいたテントへ歩いていくと既に陣が整っていて今直ぐにでも出陣して戦争が始まる雰囲気だ。

 兵達が、「おー!」と雄叫びを上げて今にでも突撃しそうな感じだ。

 さっきの小さい王の従者が俺たちを手招きして呼んでいるので近づいみると「軍隊のみなさんには勇者が居ないと言っているので少し隠れていて下さいと言ってました。こちらにどうぞどうぞ」


 薦められイスに座るが隠れるように狭い所に入れられたよ。

 兵達から見えないがコチラからちょっと覗き込めば見える所で王や重臣達がいるから上手く隠れられているんだけど。

そんな事思ってキョロキョロしていたら何処と無く辺りから声が聴こえる。


『フフフ、そんな数で我がスケルトン軍団を倒そうとは……。実にきゅだらにゃい』

「あっ、噛んだ」


 フェルセが、ボソッと言うとユカリは、口抑えながら笑いを堪えている。


「でも、可愛い声だね。乙女ちっくな声……」

「そうですね」


 俺には少女のような声に聴こえるが女性陣は乙女と思えるのかなぁと思って何も言わず聴いてると。


『フンッ!今のうちに恐れをなして逃げるなら命だけは許してやるぞ』


 少女のような声を聴いた兵士達にどよめきの声が聴こえているがそこに重臣達が大声で落ち着かせているが兵達は、いつの間にか進行していた。


『なっ、それでも向かってくるの?グヌッヌヌヌー。ベルクホルンよ魔王直属四天王の死王レッドフドが指揮するスケルトン軍団の恐怖しろォォ!』


 最後の方少しヒステリックな声になっていたような感じがしてたけど死王レッドフドってどんなんだろうと気になってしまったよ。


「意外と可愛い声ですね」

「そうね。死王って言うからおどろおどろしい声なのかなと思ってたんだけど」


 そんな会話をこんな狭いところで話していたらベルクホルン王がやって来て俺たちと言うよりユカリに話しかけてきた。


「もうすぐだか死王率いるライルベルズの軍と我が軍がぶつかるだろう。その頃見計らって勇者ユカリは死王レッドフドの所まで突進し仕留めて欲しい」

「上手く隠れながら敵の総大将を倒すみたいな」

「わかりました。それが目的ですから。早く倒せば負傷者も減りますからね」


 王の依頼にフェルセが、穏やかではない言葉を言うが王は頷きユカリは納得の顔をして答えている。


「死王は、スケルトンソルジャーやスケルトンメイジなど数多くの敵が居るがその先に構えているそうだ。赤いローブを纏っている」

「赤いヤツを見つけて倒せばいいんだよね」

「そうですね。スケルトンは他の兵隊さんに任せて私達は死王レッドフドに向かいましょう」

「冥王さま、大丈夫ですか?」

「ん?レッドフドの所に行くって事だろ。大丈夫だ」

「ユカリは、無駄な戦いはせずに死王レッドフドにひたすら向かって」

「了解です」

「露払いは俺とフェルセだな」

「私だけで充分ですよ。冥王さまはただ着いてくるだけですよ」


 フェルセは立ち上がってユカリを連れて戦場へと向かい俺もついて行くけど何もしなくて良いのなら行く必要ないかなぁなんて思ってしまうね。


 兵士達の動く度に聴こえる鎧の音やぶつかり合う武器の音と共に飛び交う威勢の良い大声や悲鳴をあげていたが、そんな事を気にする事無いように、ただ早く死王レッドフドの方へ向かう。


「ユカリ、死王レッドフドに向かうのよ」

「あっ、はい」


 俺達は、戦場の中をひたすら走る。駆け抜けさせないように俺達を見つけたスケルトンソルジャーは、目の前にいる兵士に目にもくれず持っている、武器を振りかぶって攻撃を仕掛けてくる。

 目の前にいる兵士が、その隙を逃すわけないので攻撃を仕掛け倒していく。通り抜けて俺達に攻撃してきたスケルトンソルジャーは、意図も簡単にフェルセの初撃で崩れ去っていく。

 まるで人混みをかき分ける様な、隙間隙間を通って死王レッドフドの元に向かって中腹まで来たと思ったら氷の粒が、散弾銃の様に俺達へ襲い掛かってきた。


「もしかして、スケルトンメイジか?」

「ええ、ユカリ走るのよ」

「魔法使うって魔石持ちいるんじゃないか?」

「……」

「あの小さい魔石かも知れないけど、特殊いたりしてな」

「……」


 フェルセが、無言で走って死王に向かっていたと思ったら突然方向を変えて数多くのスケルトンメイジ粉々に粉砕している。


「メイオウさん、フェルセさんが……」

「いつもの事だ。ほとぼり冷めるまで放っておこう。ところで」

「ところで?」

「スケルトンソルジャーやメイジ弱くないか?」

「さっき調べてみましたけどレベル高くても15ですよ。1桁から居ましたね」

「冒険者ギルドで言う……」

「私も受付の人からそっと聞いたけど、ランクEからDぐらいですね」

「もしかして、兵士達は無事な奴らが多いんじゃないか?」

「ええ、ここまで来て安心してますよ」


 ユカリは、胸をなで下ろす様な顔をして先にいる死王レッドフドの所へ走っている。




「あれって?赤いローブ……」

「ええ、死王レッドフドですね」


 遠くだが赤いローブを纏、フードを被って顔が見えないが目が赤く光っている。

 少し異形な足の形のようだが視界を邪魔するかのように迫ってくるスケルトンソルジャーを押し退けて倒していきヤツと対峙する。


『クックック、ここまで我武者羅に走って来たのが1人の女とひょろっとした男か』


 近づいても顔は見えないが口角を上げおぞましい笑顔を見せて俺達にそう言って来た死王レッドフドだった。

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