ランク上げたい
ロースターのみんなが倒したピンク色のオークを俺のアイテムボックスにしまう。
「アイテムボックス持ちは凄いよな」
「そうだよな。そんなスキル持ちなんて滅多に居ないよな」
「あれだよ。ランクBの2チームに居るって噂だよ」
「あのチーム、討伐依頼戻ってきても荷物少ないからな」
ロースターの男衆が、アイテムボックス持ちについて話してたらフェルセとユカリが、こっちにやって来きた。
「フォルクスさん、依頼ってピンク色のオーク討伐で終わり?」
「ええ、そうです。今回の依頼は達成ですね」
「よし、帰るか!」
マラダイさんが、腕を突き上げて喜んでいるとユカリが、遠く方を指さしている。
「私とフェルセさん、あっちにもオークがいるから……」
「えっ!」
ロースターのみんな一斉にユカリが指してある方を見る。
「ユカリさん、なんにぃ……」
「マイク、見てきてくれないか?」
「この足音、行ってくる」
ダナーさんが、少し怯えた顔をしたのに気づいたフォルクスさんが斥候であるマイクさんにお願いしていたけど。
「ダナーさん、どうしたんだ?」
「もしかしたら、さっきのピンクより大きいやつがきている」
「ダナー、もしかして?」
「マイクが帰ってきたわ」
「やっ、やっばい!オークだっ、オークだよ」
「普通のか?」
フォルクスさんの言葉に、走って帰ってきて息を切らしているマイクさんは、縦に何度も何度も首を振っている。
「オークってピンク色じゃなくて?」
「普通のオークです。肌色の……」
息を落ち着かせているマイクさん。
「じゃぁ、ここは私行きますよ」
「フェルセさん。私もやりますよ」
フェルセとユカリは、ロースターのみんなを通り過ぎてこっちに向かってきているオークを迎え撃とうとしている。
「じゃぁ、俺も行くかな」
「メイオウさん?だっダメですよ」
「危ないですよ。俺達でさえ叶わないやつを」
俺が不思議な顔して抑えてくれたフォルクスさんとマラダイさんをみる。
「オークは、皮膚が硬くて手強いんです。あの魔物は高ランクの人にお願いするのが1番でー」
「フェルセさん、ランクAだし。ユカリさんは、勇者なんだから」
そう言う事か、俺の冒険者ランクは、1つあがってEだったよな。
ここで、あのオークを倒していればランク上がるかと思っていて近くにいたライカさんに聞いたらロースターのみんなが色々答えてきた。
「あのオーク倒したらランク上がる?」
「もし、実力で倒しても上がらないですよ。むしろ、変な疑いをかけられますよ」
「メイオウさん、フェルセさんとパーティーだからフェルセさんが倒したと思われます」
「おれ、ランク上がるかな?」
「だ、大丈夫じゃないですかー」
フォルクスさんとマラダイさんも、そしてダナーさんも心配してくれてるけど俺の質問に何故か全員目を逸らしていたよ。
「終わったよ」
「フェルセさん、私にも攻撃させてくださいよ」
「ごめん、もしかしたら魔石持ちかとおもってて」
「私、1太刀も浴びせること無く倒しちゃうんですから」
フェルセとユカリが、そんな会話をしてこっちに向かってきたところにライカさんはフェルセの元に行っていた。
「もぅ、倒してんですか?」
「ええ、ところで冥王さまは、何しているんですか?」
「メイオウさん、ランクの事で悩み事抱えてしまってな」
マラダイさんが、そう言うとフェルセは、心無く俺に言ってくる。
「冥王さま、ランクなんて気にしないで下さいよ。私がいるじゃないですか」
フェルセは、手を胸に当てて俺を見てくる。当分俺が、強いやランクが高いという事は気にしなくてもいいかな。やはり勇者とライルベルズの魔王の件が、終わったら考えればいいかなと考えみた。
「そうだな。フェルセがいるからな……。フォルクスさん、あのオークも持っていくか?」
「そうしてくれると助かります」
「フェルセ、素材とか全部ロースターのみんなに渡してもいいか?」
「魔石なかったので大丈夫ですよ」
「それじゃぁ。俺、回収してくるよ」
「あぁ、冥王さま。私も一緒に行きますよ」
俺とフェルセは、倒れているオークを回収してユカリとロースターのみんなと王都に戻って行った。
今回の功績で、マラダイさんとダナーさんはランクが上がりDからCになった為【ロースター】というパーティは総合ランクCとして評価されるようになったらしい。
日が沈む頃、報告が終わり俺達は、冒険者ギルドの前で話をしている。
「ありがとうございます。そして助かりました」
「本当に感謝です。しかもランク上がったし」
フォルクスさんとダナーさんが礼を言うとマイクさん、マラダイさんとライカさんがお辞儀をしている。
「メイオウさん、フェルセさん、ユカリさん。俺達ここで解散しますが、また機会がありましたら一緒にでも」
「本当です。フェルセさんとユカリさんお願いです」
ライカさんは、フェルセとユカリの前に行って話をしていたので当然俺の名前は出てこない。
「メイオウさん、気をつけてくださいね。次は魔王でしょ?」
「なんでも王都から進軍している部隊があったらしいぜ。今ギルドで誰か話してたよ」
マラダイさんの言葉にみんな頷いている。
「魔王なんて出来るだけ関わりたくないもんな」
「そうだな、魔物も凶暴化するって聞くからなぁ、今じゃライルベルズは危険地帯なんじゃない?」
マイクさんの言葉にもロースターの男衆は頷いている。
「本当に今日は、あの大きいオーク運んでもらって本当にありがとうございました」
「冥王さま、行きますよ」
少し離れていたフェルセとユカリにライカさん。フェルセ達がお城に戻ると言うので俺も別れを告げる。
「今日ありがとう。ユカリの聖魔法の件も…… また機会があったら同行させて貰います」
俺とフェルセ、ユカリはロースターのみんなと別れ城に戻って行った。
読んで頂きありがとうございます。
投稿出来ずすみません。
プライベートでの環境が変わりました。
ここで一旦王都編が終わります。
次回はサイドストーリーを挟んで次章へ移ります。
皆様のブックマークや評価本当にありがとうございます。
これからも頑張っていきます