ありのままの日々. 1.
本作は仮想で作られたフィクションの物語です。 実在する人物、事件などとは無関係です。
今日は外回りがないから···.
ホテルのクローゼットの中を見ていたヨンミンは、
最近毎日着ていた ネイビー色のスーツで、
しばらく手を止めた。
少し躊躇した後、
クローゼットの中に掛けておいた
別の服を手に取った。
薄いピンク色のチャイナカラーシャツと
濃いブラウンのチノパンを取り出し
足首を完全に覆う同色の靴下を取り出して
ベッドの上に置いておいた。
「最近、キム代理に何かありましたか」
先日、外回りに出たとき、担当者の質問に
ヨンミンは驚いて「はい?!」と聞き返し、
担当者は手を振りながら、ぎこちなく笑った。
こんなふうにクローゼットの前に
立っているのも久しぶりだと、
ヨンミンはホテルの部屋の中をゆっくりと見回した。
ホテルとは、憂鬱でしかなかった場所と記憶が
ヨンジュとの思い出で上書きされたような感じがした。
今日は木曜日。
明日の金曜日は有給休暇を取って家に帰えり
漏水によるリビングの壁紙張替えについて
協議することにした。
少し暗い表情になったまま
とても美しい人だというヨンジュの言葉。
ヨンミンは最初から上の階の住人と
別々に会うつもりはなかった。
管理事務所の職員と上の階の住人、
壁紙の専門家、ヨンミン、こうして
ヨンミンの家のリビングに集まり、
漏水の程度を確認し、
すぐに作業に入ればいいんだって。
管理事務所の職員から連絡があった。
そうして週末の午前はヨンジュとホテルで過ごし
家に帰って掃除を終えたら、
月曜日からは再びヨンジュの側に戻ってくることができる。
スマートウォッチを左手首にかけていたヨンミンは
自分でも気づかないうちに、
何度も笑みがこみ上げてくるのを
こらえることができなかった。
左手の薬指にはめた指輪を親指でそっと
撫でたヨンミンは力強く車のキーを手に取った。
*****
「それは先輩の仕事じゃないですよね」
「何?ただ見えるからやるだけだよ、
ここオフィスには社員が数名いるのですが
スジンさんは一人でどれほど忙しいだろう。」
休憩室のコーヒーコーナーを
埋めていたヨンミンに
後輩がぼやいた。
「前回はコピー機用紙も毎回開いて見て
埋めておいてくださったのに···.」
今回は言葉とは違って安心した顔でヨンミンを
しばらく見つめていた後輩が席に戻ると
いつの間にかイ代理が現れ、
コーヒーを淹れながら言った。
「やはり愛の力は偉大だね、
日常に戻られたことをお祝いします。」
コーヒーの入ったカップが危ういほど誇張された
身ぶりで大きなハートを作っていたイ代理も
にやりとにやりと笑いながら席に戻った。
みんな何て言ってるの···.
ヨンミンも笑みを浮かべながら席に戻った。
タンブラーに入れていた冷たい水が
ヨンミンの動きによって
一度揺れ動いたが、静かに再び戻ってきていた。
*****
「社長の甥っ子と別れたよ! ヨンジュさん。
その女の子が俺のことをバカだって言うんだ、
すごく呆れたよ」
「....」
つばの広い園芸用の麦わら帽子と薄い長袖シャツ。
園芸用手袋、首にタオルまで巻いたヨンジュは
プラスチックのほうきで建物の裏庭を掃除していた。
近くで見ても、ヨンジュという人を知らなければ
全く誰だか分からない格好だった。
静かな午後、裏階段に現れたイム代理が
文句を言いながら、きれいになった階段の上に座った。
「私の話を聞いてるの、ヨンジュさん?
そういえばその指輪は偽装用ではなかったね。
4階キム代理も同じものをはめてたけど?」
ヨンジュの顔がイム代理の方へ向かうと
イム代理は小さくため息をついた。
「本当に言いたいことは何ですか?」
「特別なことでもないし、愚痴や相談?
その女の子が、私が買ってあげたバッグまで
持ってきているのを見ると本当に別れようと
決心して出てきたんだ、
そのバッグまだ分割払いも残っているのに···.」
「....」
「俺のことそんなにバカに見えたのかな?
どうやればちょっと賢い見えるか?」
979-11....
ヨンジュがスマートフォンで何かを検索した後
ポケットのメモ用紙に何かを書き始めたとき。
「ヨンジュさん」
路地で優しくヨンジュを呼ぶ声が聞こえた。
今週はこの一編だけを掲載することにいたします。 先週、途切れずに投稿しようと努力したのですが、
無理をして体が持ちこたえられませんでした。 本当に申し訳ございません。
来週の月曜日には、さらに多くの内容でお目にかかります。
不慣れな文章を読んでくださる多くの皆様に感謝いたします。また来週是非とも~




