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33 一歩

 あれから何日がたっただろう。何体の魔物を倒しただろう。ダンジョンの中、日の昇らない、沈まないダンジョンの中、アルマの時間間隔はとうに狂っていた。蚊として生を受けてまだ一度も太陽を見ていない。


 蜘蛛を魅了し、罠にかかっているカエルを魅了し、たまにオオトカゲに見つかって、逃げて、血を吸って、そんな作業のような怒涛の時間だった。


 アルマにとって、蜘蛛を倒すのは簡単。そもそも存在に気づかれないから、【魅了の羽音】で動きを止めれば一発KO。動き出そうとしても、【幻】を使って蜘蛛の巣でカエルが動いているような幻を見せればもう動けない。あとは、血を吸うだけ。


 カエルもまぁ簡単。蜘蛛の巣に引っかかってたらもうイージーゲームである。ただ、かかっていない時はちょっと面倒である。実は、カエル、動きが素早い。ぴょんぴょんジャンプして移動してくるから動きが不規則で、あっという間に距離を詰めてくる。


 その上、カエル特有の長い舌でアルマをからめとろうとしてくる。常に動き続けてないと近づかれて食べられて終わってしまう。【気配迷彩】もすぐに見破られるため、【魅了の羽音】にかかるまでの追いかけっこ耐久が始まる。

 【幻】もあんまり意味をなさない。カエルはアルマが作り出した幻にすぐ突っ込んでいくため、幻だとすぐにばれてしまう。【幻】は触れられるとすぐに解除されてしまうのだ。


 これまで、蜘蛛の巣にかかったカエルしか知らなかったアルマは、カエルがこんなにも手ごわかったことを思い知らされた。


 オオトカゲはもう別格である。アルマが存在に気づかれる前に【魅了の羽音】を半分くらいかけ終わってないと、勝率は五分といったところか。最初の個体の、ダンジョンの壁と天井を削り取っていく攻撃。あれをすべての個体がやってくるから厳しい。

 最初の個体はまだ弱い方だったらしく、他のであった個体はこちらの居場所が分かったている上で旋回してくるから、ダンジョンの破片の軌道がこっちに集中していて戦いづらい。


 なんど足がもげたことか。


 【自然回復】のおかげでもう治ってはいるが。痛かったことに変わりはない。


 そして、さっき蜘蛛を殺したときに聞こえた声である。


『レベルが上がりました。進化が可能です。』

読んでいただき本当にありがとうございます!


次回、アルマの新しい姿は……?


「蚊の主人公、面白そう!」「アルマのサバイバルの続きが楽しみ!」とおもっていただけたら次回も読んでいただけると嬉しいです。ブックマークと評価もお願いします!!


毎日18:30に更新中です!

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