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異世界バンド~俺たちの熱い魂(ソウル)で異世界を救ってやるぜ!  作者: 未羊


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117/125

117曲目 新曲に向けて準備だぜ

 リリアの提案で、俺たちはこっちの世界にやってきてから初めてのオリジナル楽曲の製作に取り掛かることになった。

 それというのも、このレンガートの街の近くで戦った魔族のやつには、俺たちの音楽が通用しない可能性があったからだ。

 魔王四天王のハキースって女魔族だが、どういうわけかこの世界にはない音楽ってものを知っていたし、知られているわけのない俺たちの楽曲を知っていやがった。

 その結果、リリアとの間で歌唱合戦が行われ、こう着状態に陥ってしまったんだ。

 まったく、こんな予想外なことがあってたまるかよ。

 第一、こっちの世界はこれまでの反応を見る限り、音楽ってものがないはずなんだ。

 実際、同じ魔王四天王であるディスコーは、俺たちの楽曲を聞いて不愉快そうにしていたからな。

 そういう様子を見せられて、俺たちの音楽はこの世界でも通じると思っていた矢先の出来事だ。まったく、出鼻をくじかれた気分だぜ。

 昨日の戦いは、兵士が乱入してこなきゃ、きっと決着はつかなかっただろう。


『はぁ、あれが魔王四天王の一人、声のハキースってことか』


『確かに、”声”という言葉をつけているあたり、強敵でしたね』


『俺様たちの音楽に乗せて歌うとは、まったく予想だにしていなかったぜ』


『で、どうするんですか、リーダー』


 俺たちは、部屋の中で話をしている。

 今日は一日も終わり、メロディたちはお風呂にいっている。部屋の中には俺たち四人しかいないってわけだ。


『朝にリリアが言っていた通り、異世界に来て初めてのオリジナル楽曲をこさえるしかねえだろ』


 ベスの質問に、俺ははっきりと答える。

 だが、他の三人はなんとも反応が鈍い。

 こうなるのも無理はない。なんといっても、俺たちは四人そろって楽器の状態だ。この状態では、楽器をかき鳴らすなんてことはできやしない。つまり、音の確認ができねえんだ。

 歌声ならどうにかできるんだが、さすがに音楽(オケ)は実際に楽器の音を出してみなきゃ確認のしようがねぇ。

 つまり、俺たちの新曲作りは、はなっから難題まみれってわけなんだ。


『メロディやフォルテには、ちょっとばかり教えてやったことはあるがな』


『絆を深めて技術共有ってのもやってはみましたが、さすがに作曲は無理でしょうねぇ』


『俺もそう思うぜ。そもそもの知識が乏しいんじゃ、ちゃんとした曲になるかどうかが不安でしかねえからな』


 俺とベスは、ただただ不安を感じていた。


『リーダー、ベス。諦めるのはまだ早いと思いますよ』


『いや、しかしだな、キーボ』


 悩む俺たちに話しかけてきたのは、キーボだった。この声は、どこかまだ希望を捨てていないような感じだった。その自信はどっからくるんだよ。


『お忘れですか、私のパートナーが誰なのか』


『……そういや、キーボのパートナーはモニー。彼女の職業は、聖女だったな』


『そうです。私たちの知識と彼女の聖女としての能力を組み合わせれば、もしかしたら、もしかするかもしれないというわけですよ』


 なるほどなぁ……。

 だが、俺たちの音楽はロックだ。聖女と果たして合うのかと一瞬思ってしまう。


『……もうずいぶんと演奏してるな。今さらか』


 冷静に考えると、モニーはもう何回も俺たちの音楽を演奏している。違うよなと考えようとしたら、真っ向から実績に否定されてしまった。いやはや、現実は恐ろしいもんだぜ。


『よし、みんなが戻ってきたら、改めて話し合いをしようか』


『ですねぇ』


 俺たちは、一度話し合いに決着をつけて、メロディたちが戻ってくるのを待つことにした。


 だが、実際に話をすることになったのは食事が終わってからだ。

 俺たちがモニーに話を持ち掛けると、モニーは嫌がるどころか二つ返事で了承してくれた。


「分かりました。私が頑張ってみることにしましょう」


『悪いな。いろいろ考えてみた結果、俺たちはこの体じゃ限界があるってことになったんでな』


「いえ、構いませんよ。ですが、演奏の際にはみなさまのお力を限界までお借りしますので、その時はよろしくお願いします」


『もちろんだぜ!』


 話はまとまった。

 俺たち四人とモニーの合わせて五人で、新しい楽曲作りをすることになった。

 眠る前に、俺たちはリリアに対して頼みごとをすることにした。

 それは、向こうの世界で売っている五線譜ノートを仕入れてくることだ。

 リリアは手に持っているマイクを通じて、向こうの世界の道具をこちらの世界に持ってくることができる。それを利用して、楽曲作りのために役に立ちそうなものを持ち込んできてもらうってわけだ。

 もちろん、リリアは賛成してくれた。さすが妹だな。

 よし、新しい楽曲を作るための状況は整いつつある。あとは、どのくらいの時間がかかるかだ。

 ぶっちゃけ、レンガートの状況を考えればまったくもってよろしくない状況だからな。できる限り早い方がいいというのは事実だ。


 レンガートの街を魔族たちの脅威から守る攻防戦。こいつぁ、思った以上にヘヴィな戦いになっちまったようだぜ。

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