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『ユキはね、クリスタを待ってたの。クリスタと絆を結んで、ユキは話せるようになったんだ!」

「絆を結ぶって何?」

『クリスタが名前をくれたでしょ。それが絆を結ぶことなの』


 へえー。知らなかったな。そんな大事なことなんで今言うの。


『女神さまの言ってた通り、クリスタはすっごく綺麗。だから、僕は絆を結ぼうと思たんだよ』


 尻尾をブンブン振りながらユキは言った。


『母様が女神さまの元に帰っちゃって、すごく悲しくて寂しくて気づいたら魔獣になってた。でも、クリスタと会えたからもう寂しくない』

「そっか」


 ユキを膝の上にのせその背中を撫でた。整えたばかりの毛並みはさらさらとしていて触り心地がいい。

 さっきのことは不問にしてあげよう。その代わり、しばらく撫でさせなさい。

 そうしていれば、ユキは目をとじていつの間にか寝てしまった。


「かわいいわね」

「はい! すっごくかわいいです」


 寝ているユキはぬいぐるみみたい。さらさらふわふわしているから余計にそう思ってしまう。

 膝にユキをのせたまま、明日について話し合うことになった。

 本当なら、今日湖の浄化をすることになっていたけど緊急事態でできなかった。でも、それのおかげか『浄化』は使えるようになったと思う。ユキを元に戻すときと同じようにすれば使えるはず。


 そうしたら、また明日湖の浄化をするしかない。今日の感覚が残っているうちにしてしまったほうが私もいいと思うし。

 それに、町の様子を見て思ったけど湖をはやく元にもどして元気になってもらいたいし。

 そのためにも、今日はしっかり寝て明日にそなえないとね。


「クリスタは大丈夫なのか?」

「何が?」

「いや、今日は初めて浄化をつかったから魔力とか体調とか」


 まあ、一番最初に体調不良になったのは私ですけど。

 魔力は全快ではないけど休めばすぐに戻るぐらいだし、体調も悪くない。


「休めば元に戻るくらいには回復してるし、大丈夫だよ。カイル」

「分かった。クリスタ明日はよろしく」


 頑張らないとね、私にできることを精一杯。


「部屋にもどるね、おやすみなさい」


 寝たままのユキを抱いて部屋に戻った。

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