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『もう、何であんな大声出すの』
手のひらサイズから子供サイズになってプクっと頬を膨らませるレイラ様。
それに対して、私は頭を下げるしかない。
私の叫び声を聞きつけた侍女が大慌てで部屋に突撃。虫に驚いただけという言い訳をして、納得してなさそうな侍女を無理やり部屋から追い出した。
『幽霊なんて冗談に決まってるじゃない』
「あなたがそれを言うと冗談に聞こえません」
レイラ様(仮)の体は半透明で向こう側が透けて見える。
それに、私は幽霊が大嫌い。それも、前世から。ホラーゲームなんてやったことないし、テレビとかでやるホラー番組も見られないぐらい。というか、年頃の令嬢が幽霊なんて聞いて悲鳴をあげない方がおかしい。
「どこから見ても幽霊にしか見えません! それに、本当にレイラ様何ですか」
『んー、私はレイラだけどレイラじゃない。私はレイラの思念みたいなものかな』
「思念?」
『そう、思念。思い、だね』
思い? それってどういうこと?
いまいちレイラ様(仮)の言っていることが分かんない。
首をかしげると彼女はそうだねぇ、なんて言いながら首を振っている。
『私は本物のレイラじゃない。彼女がこの日記に残した思いが形になったものだよ。聖女の魔力に反応して"私"が出てくるようにしてたの』
「何でそんなことを?」
『魔王について伝えるため』
私の問いにレイラ様は即答した。
魔王についてならさっき本で読んだから教わることはないと思うけど。また、私は首をかしげてレイラ様を見る。
『あれは、知識として知っていなければいけないこと。私が教えるのは違う。私が教えるのは私と戦った魔王について』
「レイラ様が戦った魔王……?」
真剣な表情でソファーに座り直すレイラ様を見つめる。
『そう。私が封印した魔王。君が浄化または封印しなくちゃいけない魔王。日記はもう読んだよね? そしたら、私が魔王と会ったところから話そう』
悲しそうな表情でレイラ様は語り出した。
『私が会った魔王はとても悲しそうな人だった。子供が魔王になるのは知ってるよね。私もその事は女神様に聞いたから知っていた。でも、見て初めて理解したんだ。絶望して魔王になった子供を』
そこで言葉をきり考え込むように宙を見た。
『ねぇ、クリスタ。君は、ここからの話聞く覚悟はある?』
「え?」
『君は、魔王をヒトを殺せる?』
そう言われて分かった。レイラ様の言いたいことが。
世界の災厄と呼ばれていても魔王は人なんだって。
「私にはできません。でも、無理なら無理なりに別の方法を考えます。それに、城で話を聞いてから覚悟なんてできてます」
笑いながら告げるとレイラ様も笑いながら頷いた。




