治の無双回
テストからの部活というコンボ技。
テスト後の部活って謎の脱力感ありますよね?
という、回りくどい言い訳をしてみました。昨日投稿するつもりだったものを今投稿します。
(予約掲載というのをやってみたかったので、いつもより遅い時間に設定しています。)
「今から俺は2代目Sだ。」
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治
職業:錬成師
ユニークスキル:『天才』
『逸材』
エクストラスキル:『鑑定』
『無拍子』
スキル:『剣術』
『錬成』
『腕力強化』
『脚力強化』
『思考力強化』
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こんな感じだろうか。
職業変更を済ませると、俺は魔人に向かってそう言う。
本当のことを言うとルピナスが無事だとわかった時は安堵に頰が緩みそうだったが、そんなことをするのは少しばかり格好が悪いので我慢した。
でも、ギリギリとはいえ、ルピナスが無事だったのは嬉しい。直前の『空走』で作ったバリアーは本当にナイスと言いたい。
まあ、途中で琴美の戦闘を見ていなければ空走をこんな風に使うことはできなかっただろうが。
それはさておき、治がこの魔人の魔法をわざと上空に向かって打ち上げるような軌道に変えたのには理由がある。
森に燃え広がらないようにというのももちろんあるのだが、イメージとしては狼煙だろうか?こちらが今大規模な戦闘の最中だと知らせることで、琴美が援軍に来ることも、楓の戦闘が一旦終わることも見たので、実行したまでである。
あと十分ほどで二人が到着するであろうから、その間にこいつを片付ける。
まあ、五分もあればいけるだろう。
俺は映画でよく見る人差し指でのクイクイを怒りに震える魔人に向けてやる。当然怒りに染まった魔人はその挑発に乗ってくる。
魔人は人間の全長よりも大きい炎の球と真っ黒の見るからに闇っぽい感じの球を発射すると同時に走り出す。。
まるで闘牛に出てくる牛のように真っ直ぐに突っ込んでくる魔人を目で追いながら、俺は内ポケットの中にある資材を入れる為の『テイムカード』からアダマンタイトの塊を取り出し、もう片方の手には『ムラクモ』を持つ。
取り出した人間の胴体ほどのアダマンタイトは何も加工されていない。
俺はそれを右手に持つと『錬成』を発動。
瞬く間に大きなハンマーへと変化をとげたそれを後ろへ大きくスイングすると、左手の『ムラクモ』で目の前に迫る魔法を真っ二つに切断。
そして、その後ろに隠れるようにして潜んでいた魔人が目の前に現れた時、こちらへ突き出される右の拳をしゃがんで避け、懐へ潜入したところで右手のハンマーを一気に前へスイング。
腹部を強打された魔人は森の中へと吹っ飛んでいく。
が、俺は魔人の進行方向に大きな土壁を作ることでそれを防ぐ。
「ごはっ……」
肺から空気を一気に吐き出すような声を上げた魔人は、苦しさに身悶える。
でも敵はそれだけで諦める訳もなく、こちらを睨むと、何かスキルを発動する。
俺はあらかじめセットしておいた『鑑定』を発動。
魔人が使ったスキルは『部分硬化』。
神気の流れを見る限り腕を硬くしたようだった。
「クッソォ!!!」
魔人が吐き捨てる様に言って突っ込んでくる。
そこで俺はハンマーから拳大の塊を切り離すと、『腕力強化』を使って投擲する。
それはまっすぐ魔人に飛んでいき魔人の目の前で2つに割れる。
そして形を変えると、大きく旋回して魔人の背中を打つ。
これは治が『錬成』を改造したことによって可能になった『遠隔錬成(仮)』である。
本来、錬成は人間が使える神気のりょうが限られているため、直接触れているものに対してしか使えないスキルであるため、離れているものをへんかさせるなんてことはできない技だった。
が、治は錬成に使われる神気に自分の神気を重ねることで無理やり効果範囲を広げ、自分を中心とした半径15メートルを全て治が『錬成』できる範囲としてしまった。
先ほどの技は魔人の目の前でアダマンタイトを2つに割り、その後にそれぞれ『錬成』を施して形を変え、ブーメランの軌道を描く様に『思考力強化』を使って計算して出した形にした。
『腕力強化』を使って投げられたそれはだいぶ威力をもっていたらしく、魔人は前のめりになって姿勢を崩す。
俺はその隙に『脚力強化』を施した足で魔人に近づき、ハンマーを振る。
そしてハンマーを魔人に当てる直前に『錬成』。
ハンマーは魔人の体に当たったと同時に魔人の動きを封じる枷へと形を変える。
「これ以上お前を傷つける意志はない。そろそろ諦めてくれないか?」
「お前、何をした!!」
「<ドレイン>と似たようなものを付与した鉱物でお前を捉えただけだ。言っとくがそれは魔力での強化ができないお前には破壊できないぞ。」
俺はそういうと魔人のもとを離れてルピナスの方へいく。
これで一応、魔人は片付けた。
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◇視点楓
私は火柱が上がった方へ走っていく。
おじさんから逃げるような形だけれど、ひょっとしたらルピナスと二人掛かりで倒した方がいいかもしれないなんて考えながら。
私を狙っていた大量の魔法は火柱が上がった時に消滅した。
きっと治くんがなんとかしてくれたんだろうと考えているが、実際のところどうなのかはわからない。
と、そんなこんなで大きく開けた場所に出る。木々がたくさん倒れているので、ここで間違いないだろう。
私は周囲を見渡し、治くんっぽい影を探す。
その時、中心部にある人影を見つけた。
肌が紫色のその人は、こちらをみるとニヤリと笑い、立ち上がるとこちらへ走ってくる。
私は本能的にその人をディアナで射抜く。
その人はディアナの攻撃をお腹に食うが、構わずという感じでこちらへ向かってくる。
その人は急に膨大な魔力を放出し始め、それで強化したのかアダマンタイトでできているであろう枷を破壊する。
私はとっさに後ろへ下がったが、襟元を掴まれてしまい、首元に腕を回された。
「おい2代目ぇ!!聞こえるか?!」
私の耳元で響く大きな声。
思わず目と耳を塞いでしまう。その時、私の後ろつまりは私を捕まえた人の方から大きな魔力の流れを感じた。
「楓!!」
治くんの声。私は首元を膨大な魔力を纏う腕で抑えられながらも、必死で治くんの方を向く。
「お前が、お前ら人間が俺に与えた苦痛はこの女一人じゃ清算仕切れないほどのものだった。せめて、こいつだけでも殺せるなら、俺は、俺は!!」
途切れ途切れの言葉が魔力の暴走の度合いを表している。
きっと自爆する気だろう。
「やめろ!!」
治くんと私との距離は約12メートル。だめだ、もう届かない。
ーードォォォォォォォォォォォォォン!!!!!
広い広い森に、大きな火柱がたった。




