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作戦開始 3

ごめんなさい!!!

一週間も待たせてしまって本当に申し訳ないです。

ゴールデンウィークに入って部活もないので、できれば追いつくようにしたい。

楓さんたちが敵軍に突っ込んでいったのを確認すると、私は残った短髪の女に攻撃を仕掛ける。

私は小手調べ程度の感覚で『神琴』を六本手に取り出し、走り出すと同時に一斉に放つ。

神気による精密な操作が可能なこの短剣は、琴美の後ろに旋回すると、すぐに追いかけるように動き出す。

短髪の女は私を好戦的な視線で追い回しニヤリと笑う。

私は神気で足を強化すると、地面を蹴って先程まで立っていたところに足型だけ残して飛んでいく。

風を切る音とともに飛び出した琴美は視認できるギリギリの速度で女の数メートル手前まで迫ると、一瞬だけ上に動くフェイントをかけて神琴を飛ばす。左右に3個ずつ分かれた神琴は回り込むように大きく旋回して女の後ろに回る。

琴美はそれと同時に拳に神気を集め、闘気術(神気Ver.)で硬化した拳を突き出す。

が、挟み撃ちとなった女はこの状況にも関わらずニヤリと口角を釣り上げた。

すると、女の手が輝き出す。琴美は反射的に拳を引っ込めて神琴を手元に戻すと地面を蹴って後方に跳ぶ。


「へぇ〜今のが何かわかるの?」


「わかるわけないでしょう。ただ、そうですね。あれがただの闘気ではない(・・・・・・・・・)ことぐらいはわかります。この私が視認できたんですから。」


あれはきっとまともに食らったらダメだろう。

一緒に転移されてきたタチバナみたいな名前の格闘家がつかった闘気術でも闘気が視認できるなんてことはなかった。

こちらの神気硬化でもあの手を砕くことは無理だろう。


「見ただけで闘気だと気づくなんて只者ではないことは伝わった。が、この国王専属騎士団一番隊隊長の私に拳をふるったんだ。死ぬ覚悟はできてるんだろうな!!」


『一番隊隊長』だったのか……これは案外苦戦するかもしれない。

というのも、○番隊隊長というのは数字が小さい方が力が強く、さらに『国王専属騎士団』と言っていたことからもかなりの実力だとわかる。

『国王軍専属騎士団』とは表向きでは存在が知られていない国王軍の中でも特に実力が飛び抜けている軍隊だ。

琴美は治の監視のため、いろいろな手段を尽くしてこの情報を知っていた。今の味方を利用するために仕入れた情報がその味方のために活用されるなんて皮肉でしかないが、わざわざ国王の書斎付近まで神気による幻術を駆使して潜入した甲斐があった。

そんなことを悠長に考える時間などもちろん存在しない。今のものは先程のセリフから刹那の時間で頭をよぎった思考であり、実際には主な意識はこちらに先程の琴美とほぼ同じ速度で迫ってくる軍隊隊長に向けられている。

琴美の強化された目はきちんと軍隊長を捉えているが、あの闘気のこもった手を防ぐ方法は未だにわかっていない。


(どうするのが正解なんですかね……)


軍隊長の突進を避けながら琴美は頭を悩ませる。

相手の攻撃の正体がわからない以上、こちらから手を出すのは危険すぎる。せめて相手の持っているスキルが全て把握できれば相手の出方もある程度予測はできる。でも琴美には『鑑定』がない。

そのことを悔やんでいると軍隊長の動きが変化し始める。

先程まで直線的だった動きに左右の移動が加わり、目で追うのが困難になる。


「ハッ!!こんなに張り合い甲斐がある敵はいつぶりだろうかねぇ!!」


そう言うと軍隊長がこちらに向かって走ってきた。私は攻撃を避けるために身構える。すると突然軍隊長の姿が消える(・・・)


「どこ見てんだよ!!」


「しまっ……!!」


上から声がした。軍隊長は信じられないほどの脚力で上に跳躍し、空を蹴って(・・・・・)琴美の上空に出ると、例の強化を施した腕を突き出した。

私はすんでのところでそれを回避する。

軍隊長の腕は地面と接触すると大きなクレーターを作り出す。衝撃で隆起した地面の破片が飛び散り、大きな煙が私たちを包む。

私は急いでその煙の中から飛び出ると煙の方を凝視して敵の位置を把握しようとする。

敵が『空走』を持っているとわかったので注意しなければいけない範囲が広がる。

あの攻撃力を見たあとだ。きっとヒットすれば一発で骨まで粉々になるだろうから、回避により一層注意を向けなければならない。


「ふん、逃げるか。もっと血の気の多いやつだと思ってたんだがな。」


「今のあなたの攻撃を見せられたあとに突っ込んでいくような馬鹿ではありませんよ。」


「可愛げのないやつめ。これから私が可愛がってやると言っているのにな!!」


また直線的な動きが始める。

その時、琴美の頭の中に先程までの戦闘の風景がスクロールされるように一気に流れてくる。

なぜだ?なぜ攻撃の際は避けられやすい直線的な動きを挟む?今思えば最初の時や『空走』を使った時も。全てが直線だった。直線になんの意味がある?

琴美の頭が回転を始める。


「そう言うことですか……」


「なんのことだ!!」


軍隊長が突っ込んでくる。


「もう、わかりました。」


琴美はその拳に自らの拳をぶつける。



ぶつかりあう二つの影。


そして片方が大きく飛ばされる。


「さあ、早く次の攻撃を!!」


残っていたのは琴美だった。

ちなみに『空走』は”大気中に見えない足場を作る”と言うスキルです。

これを言っておかないと軍隊長の使っていた技がなんなのか判断できないですからね。

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