全勢力
今回はいつもより少し短いかも……申し訳ありません。
「お、もうきたか。」
「治くん、あれ何?!」
「ルピナス。」
「いや、わかるけど!」
「そんなことより戦いだ。俺はこれからゴーレムたちをこちらに集めたい。楓と琴美にはゴーレムたちと交戦中のやつらを押さえつけておいてほしい。」
「「了解 (です)!!」」
治は木々を倒しながら(倒させながら?)出てきたルピナスを一瞥すると、楓たちに次の指示を出す。同時進行で手元のスマホを操作して通話アプリを開いていたので、ルピナスにつなげる。
「ルピナス、一度こちらに集まってくれ。」
『わかりました。』
治は『戦況把握』を使った結果、戦力の回復と追加が必須だと考えたのだ。
そこで一度こちらに戦力を撤退させて回復を済ませておくのと、さらなる統一のもと仕切り直しをしようと考えた。
電話越しの独特な機械的な声を聞くと、治はまた視点を時間軸の少し離れた場所に送る……
前に大事なことを思い出す。
「楓、琴美。今から神気を送るから手を握ってくれ。」
ここは菫さんの作った強力な結界の中。この結界は外の『気』を全てカットするような作りになっている。
どうやって神気までもカットしたかはわからないが、空気中に神気は皆無だった。
そこで、俺の体内にある膨大な神気を使う。先ほど述べた通り、この結界は『気』をカットするだけで、排出はしない。なので、体内の『気』は使用可能。つまりは体内の神気を使うスキルや闘気の操作は可能だということ。
一般的な人間の体内の魔力は一番魔力消費が少ない初級の魔法<ライト>(ファイヤーボールが象だとしたら蟻ぐらい?)を三分間維持できるかできないかぐらい。でも、普通の人に比べて治の体内の神気は地球と太陽ほどの差がある。つまりは、楓と琴美に神気を分ける程度は造作もない。
楓と琴美の武器は神気で動いているので、この戦場では治が分け与えなければいけないのだ。
俺は二人に手を差し出す。
楓とは何度か手を繋いだことがあったのですんなりといけたが、琴美はというと頬をほんのり赤らめながら恥じらうように優しく握ってきた。そういえばあの時に俺がハプニングを起こしたんだった。
まあ、そんなことを考えていると楓の爪が俺の手の甲に食い込んできたので急いで気をとりなおして神気を流し始める。
神気の大量な摂取は、普通の人間の体では耐えきれずに体を蝕まれていくらしいので、慎重にゆっくりと流し込む。
『神眼』を発動させつつ流していくことで神気の流れに最大限注意をしておく。
楓と琴美の体内に入った俺の神気は波長を少し変化させ、俺の目にも映るようになる。やはり少しずつ神気に違いが生じるのがこれの面白いところでもある。
少し話がずれたが、無事に神気を流し終わった俺は手を離し、楓たちに敵を抑えておいてもらえるように頼んで、今度こそ未来に目を向ける。
(よし、敵は一応楓たちが退けてるな。そして……突っ込んでくるのか。いくら一旦退けられたからってそれは無鉄砲すぎないか?敵の大将は何やってんだか……よし。定石通りで倒せそうかな。)
『思考加速』にて通常の10倍はあるスピードで答えを導き出した治は、『未来予測』を一旦やめてスマホを操作する。
何回かボタンをタップする音を響かせたスマホの最後のボタンを押すと同時に大量のモーター音が研究所から響く。
そこから出てきたのは無数のドローンだった。
治は『ムラクモ』を飛行モードにすると、それに乗り込んでドローンたちとともに宙に浮く。
ちょうど大きな魔法を付与した矢をぶっ放した楓と同じく魔法で敵を撤退させた琴美。その二人によって無事に撤退できたロボットたちと先ほど走ってこちらにきたルピナスを見渡せる高度に到達すると、治は声を張る。
「敵はこれから一斉攻撃を始めてくる。俺はロボットたちを操作して下っ端を倒していくから、他のものは敵の中でも強めのやつを倒してくれ!!」
「「『『おお!!』』」」
何だろう。声を張り上げたはいいけど、半分以上が(というか3人以外が)機械の音声ってちょっとも上がらない。
まあいい。
俺は敵を迎え撃つために陣形を整える。武装したドローンが約千体増えた俺たちの軍。
空から見下ろす司令官たる俺。
Sの研究所の全勢力を持って、叩きに行くか!
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