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治のバイク

出来上がったのは全体をアダマンタイトにて作られたバイクとロマンの詰まった銃剣、そしてアダマンタイト製のケースに入った謎のカードの3つ。


『治、これは何だ?馬のような形をしているが?』


「これはバイクって言ってな、俺らの世界では移動用の道具だったんだよ。馬みたいにまたがって、ハンドルのアクセルを使ってスピードを出すんだ。これのタイヤが四つあるものもあるんだけど、俺一度バイクに乗ってみたいと思ってたから。」


『タイヤというのはこの丸いやつだな。確かに四つの方が安定しそうだな。』


「銀狼、一度走ってみていいか?」


『ああ、我もみてみたいからな。あの更地(さらち)で走ってこい。』


あの更地とは神気の特訓の際に使っていた森の中にポツンとある全く木の生えていない場所である。ここでは神気を周りに広げていく特訓をしており、邪魔なものがなかったのでやりやすかった。


このバイクは神気だけで動いている。別に知識からエンジンの構造を作り出しても良かったのだが、性質付与は『アクセルをひねるとタイヤが回り出す』と書くだけで済むのでそっちにした。

神気は空気中の魔力を浄化して神気に変えるものを作ったので空気中の魔力を使っている。

『執筆』に文字数の制限はないが、一度文字を書いたところにもう一度書く、つまりは文字を重ねて書くことはできないため、小さいものにたくさん書くためには文字を小さくする必要がある。そのため、何か新しい機能をつけたかったら飾りを増やすだけで問題は解決する。


持ち運びの際は面倒になると思ったので腕輪に変形するようにしておいた。重さのことを考えていなかったので、初めに持った時は腕が外れるかと思ったが、『腕輪になると重さは100分の一になる』と書くだけでいい。物理法則を軽く無視していくこのスキルはすごい。


途中で楓や琴美も読んでみんなで更地にきた。俺は腕輪を外し軽く宙に投げた後すぐに念じる、せっかくかっこよく決めるために投げたのだから地面に着く前に変形してもらわなきゃ。


腕輪は丸まっていたものが一直線に伸び、どんどん大きくなりながらバイクっぽくなっていく。最終的には全体的に紫がかった黒色のスポーツバイクになった。形がいちいちカッコよく、ちょうど仮面を被ったバイク乗りさんのバイクのような男心くすぐるフォルムである。


「じゃあまずは普通のスピードで走るね〜」


「治くん、ヘルメットは?」


「えーカッコ悪いじゃん。」


「もう、安全第一だよ!」


ああ、こうやって少し拗ねたような顔も可愛いのが俺の彼女さんのいいところでもあり悪いところでもある。こんなのを前に逆らえるわけない。


「わかった、」


俺は手元にあった(というか着ていた)布類であるジャケットの胴体部分の胸から下の部分をやぶき、錬成する。俺の手のなかで布がフードに形を変え、それをまた錬成で引っ付ける。手にペンをもち、フードの部分に『あらゆるものから頭を守る』と書き込む。これだけで物理から魔法まであらゆる物から己の頭を守る、もしかしたら国宝級かもしれないジャケットができる。

俺はそれを着てバイクにまたがる。バイクの色はかっこいい色に『変色』したが、黒いジャケットを着ることでカッコよさが増す。もともと治は勉強や運動が中の下だったため目立たなかったが容姿は上の下ぐらいなのだ。あとメガネがあったらきっと数人は見とれてしまうぐらいのカッコよさだろう。


「じゃあいくぞ。」


そういって治はアクセルをひねる。本来エンジン音はならないはずだが、治のカッコよさを追求したこのバイクは派手な音を立てて走り出す。アクセルを限界までひねって160キロぐらいのスピードだろう。


『これぐらいのスピードが出るのか……だがまだ我には勝てんな。』


隣を並んで走る銀狼が余裕そうな声を出す、俺は売られた喧嘩は買う主義だ。


「言ったろ、普通のスピードで走るって。」


俺はハンドルの近くにあるブレーキレバーをねじるとカチリという音がなる。途端に後ろにロケットエンジンのようなものがガシャンガシャンと音を立てながら現れる。そう、ロマンギミックその一である。


バイクは10倍以上の速度を出す。銀狼はだんだんと後ろに消えていく。俺の視界は障壁によって風が遮られることで全く問題ない。『乗りこなし』スキルにより不便なく乗れているし、問題ないだろう。


『治!』


問題あった。油断大敵ですね。

治とバイクは少し反り返ってジャンプ台のようになっている地面を超スピードで走ったことで空中に投げ出される。

だが舐めてもらっちゃ困る。治は冷静に左手側のハンドルについている青いボタンを押す。

するとタイヤが外れ、それぞれ縦に割れたと思うと合計四つのタイヤが治を中心とした正方形の頂点に当たる部分に浮かび、シャフトの部分がプロペラに変化して回り出す。そう、ドローンのような状態に変化したのだ。


『そんなギミックもつけていたのか……』


「ああ、他にも水上、雪上、あと壁や天井用のギミックもあるからな。」


「もうバイクにどれほどのこだわりがあるんですか?」


こだわりっていうよりロマンだからな、どうしようもないんだ…

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