SAVE22 ファーストレインに行こう!
王宮庭園でお茶会をしていた私達の元へ。
「サナ様! サナ様! 一大事でございます!!」
何だか兵士さんみたいな人がやってきた。
「ファーストレインの町が、魔物に襲われていますっ!!」
なんだってぇえええ!!!
「ああ、それ、ラナンが言ってたイベントだね」
セレさんだけ、落ち着いた面持ちで、ずずずっと紅茶を飲んでいる。
「で、でも……それって、大変なことじゃあ……」
「まあね、町は大混乱だろうけど、サナちゃん達が行けば、あっという間に解決しちゃうよ」
よいしょっと立ち上がると、セレさんは、その持っている杖でなにやら魔法陣を描いた。
「うん、ボクの準備は完了っと」
「えっと……セレ、さん?」
私達の方を向き直り、セレさんは素敵な笑顔でこう言った。
「君たち3人で、ファーストレイン救出だぁ!!」
「ええええっ!?」
「あたしたちで!?」
「で、でもっ……」
困惑する私とキッド、カインさんをそっちのけで、セレさんは続ける。
「ボクも行ってもいいんだけどさ、レベル対応したモンスターが配備されるから、900レベル越えのボクが行ったら大変なことになっちゃうよ」
「で、でもセレさん、私達、回復役いないんですけど……」
「はははは、もちろん、なにもしないで行けなんて言わないよ」
そういって、セレさんはごそごそと可愛らしい鞄から、ごんっと何かの瓶がいっぱい詰まった箱を取り出した。っていうか、その鞄は、四次元ポケットかなんかですか!?
「はい、コレ♪」
「あの、セレさん、これ……」
「セレさん特製ポーション、100本入り!!」
「100本?」
「1本で、HPを3000回復できるよ。ついでに、気絶しても復活できるから、安心だよ。それにまだ倉庫に6000本あるから、遠慮なく!」
ちょ、ちょっと待って、今、すごい話とか単位が飛び出して、その、ええええ!?
「それなら、気兼ねなく貰っちゃって平気だね!」
ごそっとキッドがポーション箱を持っていく。
「あ、キッド。少しそれを、私とサナにも分けてくれないか? 分散しておいた方が、万が一のときも」
「素早いキッドが持っているのはいいけど、キッドが倒れたら、大変だもんね」
私もキッドから少し分けてもらう。
「おっと、それとはい、サナちゃん。これ渡しておくね」
渡されたのは、銀色の不思議な光を帯びた鍵が一つ。
「これを何もないところで、こう鍵を開けるマネすれば、行きたい場所への扉が開くから。まあ、移動魔法の代わりでね。まさか、ここまでまた船に乗ったりするつもりだった?」
そういえば、戻る方法も考えてなかった!!
「行きは、ボクの転送魔法があるから安心してよ。たっくさんモンスターいるから、レベルアップにはいいと思うよ」
あ、そっか。それはいいかも!!
「戻る頃には移動魔法も覚えられるだろうし、頑張ってきてね!」
「はいっ!!」
こうして、私達はセレさんに見送られて、ファーストレインの町へと跳んだのであった。
「……ふう、行っちゃったか」
「よかったんですの?」
一部始終を見ていたミラーセ姫が声をかける。
「あなた様は、この結界を維持するために、残ったのでは?」
そうなのだ、伝説級の魔法といえども、維持する者が場所を離れれば、その分、結界は壊れやすくなるのだ。だから、セレは残る事を選んだのだ。
「いいのいいの。変な気遣いされるのもやだし……」
ちょこんとお茶会の席に戻って、クッキーを頬張る。
「モンスターレベルの話もあながち、嘘じゃないしね。ボク、HPあっても火力はないから」
そういって、セレはにこっと微笑んだ。




