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ライジング・サーガ ~初心者エルフとチート魔人~  作者: 秋原かざや
第4章 偽りの王女奮闘記

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SAVE18 嵐の舞踏会

 そこは、異世界だった。

 いや、今も異世界にいるんだけど。

 その……なんていうか、びっくりするくらい、目映いというか。

 煌びやかというか。

 ここにいるのは、場違いじゃないかなんて、思ってしまう、私です。

 それでも、行かなくてはならないんですけどね!!

 未だ慣れない、きっついコルセットにぼわんぼわんの豪華なドレスに身を包んで、いざ、舞踏会へ!

「姫、お手を」

 エスコートしてくれるのは、カインさん。カインさんも舞踏会に参加するとあってか、豪華な軍服を着ている。しかも、めっちゃ、格好良いんですが!!

「ありがとう」

 そんな言葉は心の中に秘めておくとして、今は、王女として、この舞踏会に参加し、成功させないと!!

 ちなみにキッドさ……いや、キッドは、影でお手伝いやってるそうです。主にご馳走運びらしいです。羨ましいだなんて、ちっとも思っていませんよーだ。

 うう、頭が重い。頭もこんもり盛られているんだよね。ほわんほわんです。ティアラもつけてます。あ、これは借り物。失くさないように気をつけないと。

 そんな感じで会場に入った途端。


 ざく。

 ざくざくざく。


 突き刺すような視線を感じた。

 ええ、剣山をこれでもかってくらい、突き刺されたような、そんな感じ。

 そっと辺りを見回すと、それらしき人物が………。

 ………!?

 視線が、合った。

 ガルドラシスの、王女様と。

 え? これって、どういうこと?


 ちなみに向こうの王女様も可愛らしいです。

 小さくて、抱きしめたくなるくらい愛らしいです。

 ですが、大人の女性……ではなく、愛でたい方の女の子でした。

 そんなあなたが、なんで、私にそんな視線を?

「サリューン王女、入場です」

「あ、はい」

 今は、舞踏会に集中しなくっちゃ!!


 挨拶もダンスも練習の甲斐あって、なんとかなりました!!

 舞踏会も半ば、後はこのまま何事もなく過ぎれば……。


 どんっ!!

「きゃっ!」

 倒れ掛かったその先は、なんと美味しそうな生クリームたっぷりのケーキの前。

 このままだと、私の顔とドレスはケーキまみれに……。

 もふ。

「大丈夫でしたか? 姫」

「カイン、さん……」

 ありがとうございます、カインさん。

 なんとか、大惨事になりませんでした。

 けど、さっきのは……。

「転べばよかったのに」

 聞こえちゃいました、王女様!!

 えっと確か名前が。

「ミラーセ姫、でしたね」

「確か、そんな名前だったはず」

 嫌な予感は……当たった。


「うっ……」

 渡されたものを食べたら、激辛スパゲティだったり。

「ミラーセ姫からダンスが上手と聞きまして、よければご一緒願いませんか?」

 不細工な貴族(だと思う)さん相手にダンスを数回、踊る羽目になったり。

 嫌がらせは止まることを知らない。最後には。

「きゃっ」

 ドレスにワインが掛かりそうになるのを、カインさんが身を呈して庇ってくれた。

「大丈夫?」

「助かりました」

「でも……このままじゃ参加し続けられないよね?」

 盛大に汚れてしまった服。確かに、これはダメかも。

「部屋に予備があるから、それに着替えてくるよ。その間も気をつけて」

「ありがとうございます、カインさん」

 といいつつも、嫌な予感しまくりです。

 だって、こんだけエスカレートしてるんだもの。

 それにしても、王女様、ミラーセ姫に何したんですか?

 そんなときだった。

「リシアス王子、ご到着ー!!」

 リシアス、王子?

 やってきたのは、金髪碧眼の美形王子さま!!

 やってくるなり、リシアス王子はミラーセ姫の元へ。

「隣のマーベリアから、わざわざ来てくださったのですね?」

「ええ、姫にひとめ逢いたいと想い、馳せ参じました」

 片ひざをついて、姫の甲にキスを落とす。それがまた、様になってる。

 ミラーセ姫は、ぽーっと頬を染めて、うっとりしてる。

 ………嫌な予感。

 こういうときの、予感って、妙に当たるんだよね?

「これはこれは、サリューン王女ではありませんか」

「ごきげんよう、リシアス王子」

 王女らしく、丁寧にご挨拶。ちくちく。ああ、ミラーセ姫の視線が痛いです。

「サリューン王女が来ているのなら、あなたに似合う耳飾を用意したものを」

 そんなの要りません!! ミラーセ姫の視線がグレートソードになってきてます!!

 もしかして、もしかすると、魔の三角関係ってやつですか!?

 やばい、やばすぎる……。

「相変わらずつれないお方だ。だが、それがいい」

 よくないです! 大人しくミラーセ姫とくっついてください!!

 王子の台詞からすると、サリューン王女もこの王子、気に入っていないってこと?

 なら、こっぴどく振ってやろうか?

 いやいや、ムリムリ!!

 確か、リシアス王子って、別の国の王子様なんだよね?

 もしかして、国事情も絡んでる?

 だとしたら、無下にすることもできないんですか?

 王子様は、ずっとこっちに熱光線。

 姫は、ずっとこっちに剣光線。


 やばいよやばい!!

 このままだと、マジ、何か起きそうです。

 というか、困ります、困りますよーー!!

「ラナシード・ユエル殿下、ご到着ー!!」

 そんな中、入ってきたのは。

 銀髪の……ラナ、君!?

 っていうか、その王子様ちっくな格好はどうしたの!?

「良かった、間に合ったようだね」

「ラナ、君……?」

「ごきげんよう、ミラーセ姫。その華やかな美貌は衰えることはありませんね。そして、リシアス殿下」

 ミラーセ姫の手の甲にそっと口づけして挨拶すると、ラナ君はきっとリシアス王子を見据えた。

「我が姫に、何用ですか?」

「な、なぜ、そなたが……?」

 すっと瞳を細めて、私の腰を抱き寄せて、微笑んだ。

「サリューン姫がここにいると聞きまして。私と彼女は愛を誓った者同士ですから」


 ええええええええっ!!?

 いや、この場合はいいのか?

 でもでも、叫ばせて。

 ええええええええええええっ!!?

 

おかしい、ここで出るはずじゃなかったラナ君が登場しちゃいました。

まあいいです。

びっくりどっきりな、再会できましたよー。

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