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ライジング・サーガ ~初心者エルフとチート魔人~  作者: 秋原かざや
第4章 偽りの王女奮闘記

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SAVE17 王女が、おど……る?

 アクアバランの王様とガルドラシスの王宮の粋な計らいで、私は、さっそくトレーニング開始となった。

 っていうか、早いよっ!!

「いえ、期日もありませんし、早く覚えていただきたいのです」

 眼鏡のきりっとした女官さんは、びしばしやるぜ! という空気満々で部屋にやってきた。

「まずは、マナーに関して、いくつか確認させていただきますね」

「あ、はい」

 挨拶の仕方、食べるときのマナー、お喋りするときのマナー等、いくつかあったが、まあ、なんとか合格点を貰った。うん、これなら、なんとかできそうだ。

 ただちょっと、挨拶の仕方というか、挨拶のポーズが中腰なのは、ちょっと腰にきそうだけど、ここがゲーム世界だからが、腰には響かなかった。精神的に疲れた感じ。

「大丈夫?」

 キッドさんが声をかけてくれた。

「うん、まあ、なんとか……」

 カインさんが、そっと暖かい紅茶をくれた。

「これでも飲んで、次のレッスン行こうか」

 あの、まだ続くんですか?

「らしいよ?」

「がんばれ、サナっち!!」


 今度はいよいよ、ダンスの練習。

 一応、現実の世界で社交ダンスはやったことはあるんだよね。

 パパに連れられて、一週間の体験コースだったんだけど。

 結構楽しかったのを覚えている。

 ただ、当時は受験生で時間があわなかったので、泣く泣く止めたんだと思う。

 続けていたら、こういうシーンでも役に立つのかも!!

「では、サリューン王女、こちらに来てください」

 眼鏡女官がこいこいと招いている。それにしずしずと近づく私。

「これを頭に」

「あ、はい……」

 乗せられたのは、美味しそうなリンゴだった。

「次はしゃがんで、そのポーズをキープしてください」

 はい!?

「しゃ、しゃがむの、ですか?」

「初めて来る方は、驚かれますわ。もうワタクシも慣れっこです」

 そう告げて、女官は続ける。

「我がガルドラシスで踊るのは、伝統的なコシャナクです。しゃがんで足を交互に動かし、優雅さを競います」

 い、今、何て? コシャ?

「コシャナク、です」

 ちょっと待ってよ。ちょっと思い浮かべるよ。

 しゃがんだポーズで足を交互に動かす。うんうん。何となくイメージできた。

「それと、男性の方は腕を組みます」

 男性は腕を組む? 待ってよ、それもどっきんぐさせようか。

 しゃがんだポーズで、腕を組んで、足を交互に動かす。

 ………。

 ……………!!!

 コサック!!

 ロシアで有名なダンス、コサックじゃなくて、それは!? 名前も似ているし!!

「えっと、こんな感じでしょうか?」

 頭のリンゴがヤバイが、なんとか、やって見せることができた。

「まあまあ、初めてにしては上出来でしょう。本番ではそれを1時間踊っていただきます」

 なんだってーーー!!?

 心の中で世界中に叫んだ。それ、絶対に、無理っ!!

「やっていただきます」

 それ、なんの罰ゲームですか!?

「では、今度はポーズを完成させましょうか」

「いやあああーーー!!」


 その後、私は何とか、ダンススキル:コシャナクレベル1をゲットして、何とか一時間踊れるようになりました。なんとか。

「ねえ、キッドさん、カインさん、なんかこう、ボルシチとか食べたくなってこない?」

「それは気のせいじゃないかな?」

 カインさんが苦笑しながら言った。

「言われると食べたくなるけど……サナっち、一ついいかな?」

「ん? 何?」

「あたしのことは、キッドって呼んで。さん付けって何だか他人行儀で嫌!」

「え、えっと……がんばります」

「じゃあ、もう一回」

「キッドさ……キッド」

「うん、OK」

 そうこうしているうちに、夕食の時間になりました。

 出たメニューが。

「ボルシチ……」

「だね」

「うん」

 私達は、ロシア風の国、ガルドラシスで、ボルシチを食べました。

 舞踏会まで、あと数日。

 激しい特訓の甲斐あって、コシャナクレベルが5になりました。

 嬉しいやら困っちゃうやら。これって、他のイベントにも使えるよね? ね?


 そして、私達はいよいよ、噂の舞踏会に参加するのです。

 舞踏会って、社交ダンスじゃないの!?

 という突っ込みは、見なかったことにします。そうしないと、心が折れそうだから。うん。

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