【No.82】冬に咲くサクラとは何か 小原のシキザクラ
シキザクラ(バラ科)
Cerasus × subhirtella
愛知県豊田市小原という所で、毎年11月末から12月初めにかけて「四季桜まつり」が開かれます。ここは、秋と春の2回開花する「シキザクラ」という桜が沿道や川岸、公園等に沢山植えられていて、この時期、モミジやイチョウの紅葉とともに桜が楽しめる、ちょっとお得な場所です。「四季桜まつり」の会場は分散していて結構広いので、全部回るにはバスか自家用車を利用する必要があります。
<紅葉と四季桜>
なかなかお得感あります。
これなんか、春だか秋だかよくわからない。
興味のある方は、出かけてみてはいかがでしょう。
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秋から春にかけて咲くサクラというのは、小原の四季桜だけでなく、群馬県の天然記念物になっている「鬼石の冬桜」とか、他にも幾つか知られています。ちなみに鬼石の冬桜は「三波川冬桜」といって、四季桜よりもやや小輪です。こんなやつ。
<鬼石の三波川冬桜>
そうです。「色が変わる花」で説明に使った桜の写真、実は鬼石の冬桜のものだったんです。
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ところで、これらの桜は、なぜ秋や冬に咲くのでしょう?
普通、桜の花芽は、開花の前年の夏に形成され、それが一旦休眠状態になって、ひと冬越して春になってから開花するようになっています。ところが、四季桜や冬桜は、出来た花芽が休眠しないか、もしくは休眠が浅いために、秋や冬に開花してしまうのだと考えられています。
上でご紹介した2種は、いずれもマメザクラとエドヒガンの交雑種だとされています。そして、交雑したことによるものかどうかはわかりませんが、これらの桜は、花芽が出来たら、休眠せずにそのまま開花してしまうようです。
桜の仲間のルーツはヒマラヤ周辺だと言われています。そこに自生するヒマラヤザクラという種があるのですが、これは秋咲き。四季桜と同じですね。
余談ですが、最近中国の偉い人が、「日本の桜は唐代に中国から入って来たもの」という説を吹聴しているようですが、これは野生種の分布拡大と栽培種の伝来の話を混同していますし、第一その頃の中国人は梅に夢中で、桜には見向きもしなかったはず。
はい、余談でした。
日本の桜は、日本列島と大陸が地続きだった時代に、ヒマラヤから陸伝いに分布を広げて日本に入って来たという説があります。そして、その過程で寒冷な気候に適応するために、秋に出来上がった花芽を一旦休眠させて冬を越させ、春に開花するように変わっていったのではないかと言われています。
四季桜は、マメザクラとエドヒガンの交雑の過程で、なにかの偶然が起こり、隠れていた祖先の形質が表にでた、いわゆる「先祖返り」なのかも知れません。
本当のところは、誰にもわかりませんが。




