【No.81】雑木林の宝石 ムラサキシキブ
冬枯れの雑木林を歩いていると、時折鮮やかな紫色が目に飛び込んできます。
ムラサキシキブの実です。
ムラサキシキブ(シソ科)
Callicarpa japonica
他ではあまり見ない、ちょっと明るめの紫色の小さな実が、沢山枝についています。葉は黄色く黄葉するので、色の取り合わせが地味なのに派手。冬の雑木林で、もしかすると一番目立つ木です。
分布は北海道南部~沖縄。ほぼ全国に分布しています。高さは2~3m位。林縁部など、どちらかというと林内の明るい場所に良く生えています。
この実、秋に色づいたあと、冬の最中まで結構みかけます。ということは、もしかしたら鳥に食べられてない?実は、この実は秋の間はあまりおいしくないんだそう。冬になって、霜が降りる頃に甘くなるんだとか。種子を散布させるためなら、さっさと食べられた方がいいんじゃないかと思うんですが。
花は6~7月頃に咲きます。紫色のなかなかかわいい花なんですが、冬の実と比べると何故か地味。葉が緑色で、実の紫色の補色にならないからでしょうか。
<ムラサキシキブの花>
このムラサキシキブ、名前の由来はもちろん「源氏物語」の作者である紫式部にちなんだもの。実が美しいので、庭木としても植えられますが、庭木として良く植えられているのは実はムラサキシキブではなく、近縁種のコムラサキ。こちらは雑木林ではなく河川敷等に生えます。
コムラサキ(シソ科)
Callicarpa dichotoma
こちらはムラサキシキブよりも背が低く、花柄が短いので実が固まって着きます。小さくて姿がまとまっているので庭木や生け花の花材としてはこちらの方が使いやすいのかも知れません。
もうひとつ近縁種があります。オオムラサキシキブです。
オオムラサキシキブ(シソ科)
Callicarpa japonica var. luxurians
こちらは日本の伊豆諸島よりも南に生える種類。花序が大きいので、見ての通り実が大きな塊になって着きます。迫力満点ですが風情という点ではちょっとどうなんでしょう。まあでも、これはこれできれいなことは間違いありません。花瓶に一枝だけ活けると、いい雰囲気になりそうです。
以上、ムラサキシキブと近縁種二種をご紹介しました。




