太陽の沈む時
「・・・・・・・・母さんに謝らないと」
そう言った後に眠るように目を閉じ動かなくなる姉を見て俺とシエラは暫く涙を流し続け・・・・そしてこの部屋に居るべき人が居ないと気が付く。
「シエラ、カナデさんさっきまでここに居たよな?」
カナデさんは俺達の小さなころから変わらない姿で姉さんや俺達の世話をしてくれた人。
「そう言えば・・・姉さんこんな事になったら絶対に離れる事なんてないはずなのに」
いつの間にか部屋を出て行ったのだろう、なら呼びに行ってこれからの事を話し合わないといけない、何せ俺達の姉は大陸中に名が知れ渡っているのだ。
各地で様々な事件を解決し、時には国同士の戦争を止めたり飢餓に苦しむ国を救ったりと様々な活躍をし姉さんの死を知れば悲しむ人がどれだけいるか・・・・それを考えながら俺は口を開く。
「シエラはこのまま部屋にいてくれ、俺はシンさん達にこの事を伝えてこれからの事を話し合ってくるから」
「わかったわ」
俺を部屋を出て家中を探したがシンさん達は見つからす、それどころかアニマルズとドラゴンズスも居なくなっていた。
俺は姉さんの眠る部屋へと戻りシエラと話し合いこれからの事を決めた。
まずは今ここに居ない兄妹達を集める事、次にこの事を友であるメイシェル王国の前王であるレオに知らせる事、その次にマリーナの息子で領主でもあるアッシュに知らせる事・・・・・それをできるだけ迅速に行う事。
そして姉さんが眠りについて1日後に・・・・・大陸中に姉さんが亡くなった事が知れ渡った。
その光景は誰もが信じられないと思うかも知れないが誰もが『あの人の事だから納得』という光景が姉さんの眠る地・・・アズエルにで起こる。
それは大陸にある国家全ての王族が姉さんの葬儀に参加した事だ。
もちろん現王は参加していないが前王だったり王太子が参加したのだ、それも一平民の葬儀に。
「流石姉さんだ」
俺がそう呟くとジンが真剣な顔で口を開く。
「姉さんは本当に顔が広いからね」
俺はその言葉を聞き苦笑しながら口を開く。
「お前だって今はかなり顔が利くだろうホルス領のジン・ブラスト様?」
「止めてくれ兄さん、僕がホルス領の領主になったのはレン姉さんが困ってたからだよ、、本当なら宮廷魔法団の団長として働いて居たかったんだから」
「あれは驚いたよなぁ・・・・エルスさんが亡くなる寸前に打ち明けられて困った姉さんがどうしようかって悩んでいて『これ・・・・そこら辺にいる人に譲っちゃ駄目かな?』って言ってた時は物凄くびっくりしたなぁ」
「それを聞いて姉さんを助けるならいいなと思ったんだ、僕は本当に姉さんに感謝いてたからね」
「お前は優しい奴だよ、俺も本当にお前の兄と言えることに誇りに思ってる」
それを聞いて苦笑していたジンが真剣な顔になり口を開く。
「姉さんの最後は・・・・・どうだった?」
「苦しむ事は無かったが・・・・・最後の言葉が『母さんに謝らないと』だったよ」
それを聞きジンが涙を流しながら『姉さんらしい』を呟くのを聞き俺も涙を流し頷く。
「俺もそう思う・・・・さてそろそろ始めるか・・・・しっかりと送らないとな」
俺達の自慢の姉をしっかりと送って姉さんを安心させてあげないと。
その日世界を照らし続けていた太陽が完全に沈み世界中が悲しんだ。
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