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僕は 君たちの玩具じゃない   作者: 三ツ星真言
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クリスマスの夜に誓う

 決闘場を探そうとしたが、どこも人が多い。無理っぽい。

 仕方ないので、取り合えず、三人でお台場に向かった。

 何か微妙に気まずい雰囲気だけど、仕方ない。

 キラちゃんは、これ見よがしに僕にベタツク。

 女の子って、こんなもんなのかな。何、考えてんだろう。

 海の近くの広場を探し、人混みの死角に入った。

 勝負は一瞬、ここなら十分かな。

 僕と林崎 武は、5mの間合いで、向かい合う。

 「始め!」

 キラちゃんの声がかかったが、どちらも動かない。

 いや、動けない。あたりの空気がピーンと張り詰める。

 なるほど、素手で決闘を申し込んだだけあって、何か

凄い技を隠し持っている。

 後出しジャンケンで負ける馬鹿はいない。

 祖父の教えだが、このままでは拉致があかない。

 僕は散歩に行くが如く、スタスタと間合いを詰める。

「ムッ。」

 僕の右手が届く間合いで、緊張に耐え切れなくなった武が

先に仕掛けた。僕の視界から消えたと思ったら、脳天から

白い光が襲い掛かって来た。それを避けたら、後から武の

右足のカカトが通り過ぎた。

 骨法の秘技、浴びせ蹴りだ。

 武の技はそれだけで終わらなかった。

 かわされるや否や、地面に、片膝を着いた状態で、僕の水月

目掛けて、必殺の徹しを打とうと一瞬呼吸を止めたところで、

意識を失った。

 僕の手刀が一瞬早く、武のコメカミに決まったからだ。

 先の先なんだな。

 危なかった。恐ろしい敵であった。剣の理合いは、拳に通じる。

 あと半年でも、武が骨法を修行していたら、どうなっていたか。

 いや、剣道三倍段とも言うが、居合だとどうなるか、真剣勝負だったら

どうなるか、考えただけでも恐ろしくなるが、同時に真剣勝負を熱望する

自分に 呆れてしまう。

 僕も、武術馬鹿なんだろうけど、時代に逆行しているよね。

 気絶した武に、活を入れると、意識を取り戻した。

 先ほどとは別人のように妄執、悪夢から醒めたような爽やかな表情だ。

 潔く、負けを認め、僕たちに深く頭を下げて、去って行った。

まあ、本当に出家するかどうかは、僕には関係ないけどね。

 武が見えなくなった瞬間、キラちゃんから、僕の胸に飛び込んで来た。

 顔を寄せて見つめあう二人に言葉は要らない。

 世界中のどんなに美味しいスイーツ、世界一のパテシェが作る自慢の

スイーツよりも甘いキスをした。

 「星明きらら・・・」「奏夢りずむ・・・・」

 甘くてとろけるようなキスをもう一度楽しんだ後、僕たちは腕を組んで、、

アクセサリー店に向かい、ペアで揃えて楽しめるピンク×ブラックの

カラーが魅力的なリング&ネックレスを今日という日の記念に買った。

 今日は、二人が結ばれる日だ。

 これから、どんな困難が待ち受けようとも、受けて立とう。

 きっと、大人たちに親のすねかじり、青臭い世間知らずと言われるけど、

イバラの道でも、迷わず、臆さず、進むつもりだ。

 キラちゃんと、二人なら行けると信じている。

 「切り結ぶ太刀の下こそ地獄慣れ 踏み込み見ればあとは極楽」

 柳生新陰流の秘伝道歌だったかな、間違えていたらゴメン。

 二人で、必ず幸せになろうと両手を握り合い、誓い合った。

二人が修行している合気は、愛気なりだ。

 僕たちを、粉雪が止んだ夜空の明るい星たちが温かく照らしてくれた。

不思議なことに、夜空から笙の音色がはっきりと聞こえた。

「聞こえる。」「うん、確かに聞こえるね。」

 夜空を見上げると、ひときわ大きく明るく輝く星を見つけた。

 きっと、あれは、大東流合気柔術始祖・新羅三郎源義光の星に違いない。

 夢見る僕たちを祝福して、演奏してくれているんだなと感謝した。

 


 今まで、お付き合いくださり、ありがとうございました。

 ところで、あなたは、この小説を読み終わった時、誰のことを

思い浮かべましたか。恋しく思いましたか。

 その人を、大切にしてあげて下さいね。

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