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僕は 君たちの玩具じゃない   作者: 三ツ星真言
31/59

デビルドラゴン、解散する

 そんなある日の昼休み、学校全体に衝撃が走った。

 後期生徒会役員選挙の副会長に、何故か、森 星明が

立候補しなかったのである。当然、会長には、林崎

武が立候補している。

 あれから、昼休みの中庭で武とのツーショットが

見られなくなっていたので、やっぱりねえ~と、

二人の間に何が起こったのかと、学校はワイドショーを

楽しむお茶の間と化していた。

 そんな中、真剣に額を突き合わして、相談している

三人組の姿があった。そこら辺のワル、ヤンキー、

不良から恐れられているヤンキー娘たちである。

 白木 龍美、(たつみ)、緑川 葵あおい、

中野 紅子べにこ。

 大三元、大惨龍と呼ばれているが、本人たちは、

デビルドラゴンを名乗っている。

「おい、あいつだけ立候補を取りやめたなんて、

うちらの面子が立たねえと思わないか。」

「まあ、確かに・・・」

「言われてみれば、そうですかね・・・・」

 葵と紅子は内心、何を言い出すんだと釈然としないが、

リーダーには文句言えない。

「そうだろう、それでうちの提案だが、ひとまず

デビルドラゴンを解散しようと思うんだけど。」

「え~。」「マジっすか。」

 衝撃と緊張が、走る。

「お言葉ですが、あの高慢ちきな女が立候補しなかったのは、

姉さんとの決闘のせいだとは決めつけるのは、どうですかね。」

「そうですよ。そもそも姉さんが負けでもいいからって言ったのを

引き分けにしたのは、あの女ですよね。」

「確かに、お前らの言う通りだけどよ、何か後味が悪いじゃんか。

それにだ、うちらももう卒業を控えて、真面目に進路を考えなければ

ならない時期じゃんか。いつまでも、このままヤンキーしているわけには

いかないでしょ。」

 いつにも増して熱く語る龍美の言葉はまともなので、返す言葉がない。

 葵は、心の中では、『決闘で頭の打ち所が悪かったんだ。』と、思った。

 紅子は、『いや、いや、やっぱり悪霊にとり憑かれたんでしょ。』と思い、

二人で顔を見合わす。

「どうした、言いたいことがあれば、遠慮せずに言えよ。怒らないからよ。」

「怒りませんか。」

「あ~、約束する。」

「殴りませんか。」

「しつこい、うちは、嘘と坊主の頭はゆったことがない。」

「それなら聞きますが、解散して、どうするんですか。」

 葵が斬り込んだ。

「新しいチームに生まれ変わるんだよ。」

 龍美は、胸を張って答える。

「え~、そりゃあスゴイ。流石、姉さんだ。」

 紅子は、飛び跳ねて喜んだ。

「当たり前だのみつよだ。うちらの固い絆は、永遠だ。」

 三人は、肩を抱き合い、文字通り、自慢の胸を躍らせて喜びあった。



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